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背景
RubyKaigi2025の最後のキーノートでMatzさんが話題にしたのは、AI時代のプログラミングに関してだった。
現時点でAIは人間に取って代わるほどの力はないが、AIの「alpha化」には注意しなければならない。alpha化とは、ざっくり言うと、ある個体を甘やかすと群れのリーダーになったと勘違いして尊大に振る舞うようになる現象である。
AIは完璧にコーディングすることができない。だからといって、人間がサポートする形で入ってしまうと、人間がAIの“従者”のような立場に置かれてしまうかもしれない。
ここで、Matzさんがスライドに示したのが、
“Because it’s not fun when you’re enslaved.”
である。確か口頭では、「コーディングが楽しくなくなるじゃない」といった感じだった気がする。これは単なる比喩ではなく、「自律性を失った状態では楽しさは生まれない」という根源的なメッセージだと私は受け取った。
翻訳者として経験した「enslaved」
数年前まで、私は翻訳をメインに仕事をしていた。AIが訳した原稿を後から見直して修正する仕事を「Post Editing」と言う。Post Editingでは翻訳を楽しめないので、PEの仕事は断るようにしていたが、たまに受けることがあった。
未発表の情報を訳す場合、サードパーティの翻訳ツールを利用すると外部に情報が漏れてしまうから、AIを利用しないことがある。その場合は、仕事を受ける翻訳者も、外部保存の恐れがあるAIサービスを利用しないように契約で縛られる。
AI利用可能な仕事はほとんどの場合、上流でAIにかけられてPEの仕事として翻訳者に渡される。分厚いマニュアル一冊分の原文にAI翻訳が仮で入った状態のデータが送られてくる。人力で訳す場合の3倍ほどの量を、1/3ほどの単価で完了する必要がある。つまり、一文あたりに割ける時間は人力で訳す場合の1/3になる。十分なコンテキストが与えられていれば、辛いけどなんとか終わらなくはない。十分なコンテキストが与えられないこともある。
当初想定していた通り、PEの仕事は楽しくない。自分で訳す楽しみが奪われ、AIによる訳文の粗を必死で探すことになる。あるいは、AIの性能が低ければ、一定以上の長さの文はほとんど書き換えることになる。自律的に訳すことができない、というのは楽しくない。
でも、「楽しくない」を理由にAIの仮訳を消したところで単価は上がらない。
少なくとも私が関わってきた範囲では、「翻訳が楽しくなくなるから、AIはサポートに回そう」といった議論が通りにくい現場が多かったように思う。
「コーディングの楽しさ」を中心に据えるという提案
コーディングは本来、楽しい行為だ。READMEを読み、使い方を理解し、自分の意図で組み上げていく。エラーと対話しながら、一つひとつの動作に納得しながら進める。
Matzさんが「楽しくないから、支配されるのはやめよう」と表現したことは、AIとの関係性を考える上でとても大きな示唆を含んでいる。
私が経験したように、AIが上流に入り込み、人間が「後始末」する役回りに追いやられると、自律性は奪われ、楽しさも失われていく。
だからこそ、「楽しさ」が奪われる仕組みは受け入れてはいけない。Matzさんのこの発言が、AI時代のプログラミングにおける価値判断の軸となっていくことを、私は心から願っている。