2025年5月19日、GitHubが実装しているAIツール「GitHub Copilot」の新機能「コーディングエージェント」がパブリックプレビュー版で公開されました。この機能はGitHubのIssueをCopilotに割り当てるだけでCopilotが解決してくれるというものですが、実際の動作を見るとあまりにもダメダメであるとの投稿が話題になっています。
GitHub Copilot coding agent in public preview – GitHub Changelog
https://github.blog/changelog/2025-05-19-github-copilot-coding-agent-in-public-preview/
GitHub Copilotのコーディングエージェントは、コードを検証して編集し、テストも行い、それぞれのIssueにコメントを残すところまで実行してくれる
このエージェントは既にMicrosoft公式リポジトリの「runtime」に導入されているのですが、コーディングエージェントが「解決した」としている問題が実際には解決していなかったりするなど、いくつかの問題があることがわかっています。
例えば「ハイブリッドグローバリゼーション用のCompareInfo.Versionを実装する」というプルリクエストでは、Microsoftの開発者であるマトゥス・コザク氏らがGitHub Copilotに修正を依頼していますが、GitHub Copilotの修正は何度も何度もテストに失敗したり、不自然な修正を実施したりする様子が見られます。
別のプルリクエストでも多数失敗しており、「AIのために時間を無駄にするのをやめて、自分で問題を解決したらどうですか?大量の電力を、質の悪いコードを出すマシンのために無駄にしているのです」との批判コメントまで付けられています。
オンライン掲示板のRedditでは、「私の新しい趣味:AIがMicrosoftの従業員を徐々に狂わせていく様子を見る」と題する投稿が話題となり、「AIが『直しました』と言い、人間が『いいえ、まだ壊れています』と言い、AIが変更を加えて『問題ありません、直りました』と言い、さらに数回繰り返すところが気に入っています」といったコメントや、「残念なことに、私もまさにこのパターンに従う人間の開発者と一緒に働いたことがあります」とのコメントのほか、「問題は、今後10年間でモデルが実際に改善され、実現可能になるという確かな証拠がないことです。テストと研究はともかく、製品に導入するのは全く別物です。大手ソフトウェア企業は、株主の利益を満足させるために運営されています」など、未完成で不確かな製品を公開することに異議を唱えるコメントが付けられました。
なお、GitHub Copilotのコーディングエージェントは有料サービスのCopilot Pro+およびCopilot Enterpriseの契約者に提供されており、GitHub CLIだけでなくiOSとAndroidのGitHub Mobileユーザーも利用できるようになります。記事作成時点ではあくまでパブリックプレビュー版であり、今後機能の改善が期待されます。
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🧠 編集部の感想:
この投稿は、AIの限界を象徴していますね。 MicrosoftのエンジニアたちがAIの「失敗」に対処する様子を笑いながら観察するのは、皮肉でありつつも興味深いです。今後、AIの進化が生産性向上に繋がるかは疑問ですが、現状はまだ課題が多いようです。
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