KURO GAMESによって開発・運営されているAndroid/iOS/PC用オープンワールド・アクションRPG「鳴潮(めいちょう)」が、本日5月23日、リリースから1周年を迎えた。
本作は、主人公である「漂泊者」が記憶喪失の状態で目覚めたところから始まる。漂泊者が目覚めた世界は、「悲鳴」と呼ばれる大災害が発生し、一度文明が崩壊した後に文明が再構築されていた。漂泊者は「共鳴者」と呼ばれるキャラクターたちと出会いながら、失われた記憶を求めて旅に出ることとなる。
今年の1月には既存のプラットフォームに加えてPS5版がリリースされ、その人気を一気に引き上げた「鳴潮」。本稿では、リリース時から本作をプレイしてきた筆者が、この一年間の思い出について触れていきたい。
ストーリーがぐんぐん面白くなった!
PS5版から「鳴潮」をプレイし始めたプレーヤーならば、クオリティの高いストーリーについては今更だと思うのだが、実は「鳴潮」はリリース時こそ「ストーリーがイマイチ」という評価を受けていた。
いやはや、今から思えばまるで嘘みたいであるのだが、「専用用語が多い」、「盛り上がりに欠ける」といった評価が多く、実際ストーリー序盤で離脱してしまったプレーヤーもいた。
実際、「鳴潮」には非常に専門用語が多い。
「悲鳴(ひめい)」と呼ばれる異変の総称に始まり、文明の発展において人類が誇りとする精神を打ち砕くために崩壊した人間の意志を糧として「悲鳴」と共に生まれ落ちた恐ろしき残像の「鳴式(めいしき)」、悲鳴によって破滅をもたらす「無音区(むおんく)」や「残像潮(ざんぞうちょう)」や「黒石(くろいし)」らを総称した「海蝕現象(かいしょくげんしょう)」、海蝕現象が発生するとそれにまつわる物質や情報やエナジーはすべて振動する周波数に還元されて衰退し続ける周波数エナジーとなる「残響(ざんきょう)」、……うむ、これだけでも少々難しい。
しかし、難しい用語が多いことも仕方がないといえる。「鳴潮」の複雑な設定を説明するためにも、序盤はこれらの用語を使いつつ、ゆるやかな流れにするしかなかったのだと思われる。(そしてその用語を理解したと思ったらまた新しい用語が出てくる、の繰り返しになりがちだった)
また、主人公の漂泊者の立ち位置も少々不明だったため、なんとなくストーリー上を滑っているだけの感じがあった。
だが、これらの「鳴潮」独自の用語に慣れてくる第1章の7幕、8幕あたりからストーリーが爆上がりで面白くなるのだ。特に1章8幕でショアキーパーが登場したあたりから、「鳴潮」人気が爆発したと言っても過言でない。
黒海岸(ブラックショア)に所属している謎の女性のショアキーパーだが、その正体は「ブラックショア諸島」のデータベース「テティスシステム」のコアである。
漂泊者の正体を知っており、過去に別れた漂泊者と再会するのを長年待っていた。そして第1章第8幕にて再会を果たすのだが……、もうここからの「鳴潮」のストーリーの面白いこと、面白いこと。
【『鳴潮』カットシーン | 反響】
そしてブラックショアで忘れてはならないのが、黒海岸に所属する花持ちの女性のツバキ。遥か昔、ツバキが各地を放浪していた際に、黒海岸の指導者だった漂泊者に出逢って運命を感じ、黒海岸に入団したという経緯を持ち、その後オーバークロックで椿の大木となり、長い眠りに着いた。現在は眠りから覚めているが、オーバークロックで樹木の特性を得て長寿になり、数十年経っても若い時のままの姿をしているのだ。
さらに物語がリナシータ編に進んでからというもの(PS5版がリリースされたのは、リナシータ編の実装と同時)、どのシナリオも最高潮。新キャラクターも、カルロッタ、フィービー、ブラント、カンタレラ、ザンニー、などなど、次々と魅力的なキャラクターたちが実装されている。
『後悲鳴人類記事:交錯する星群れ』??カルテジア
「たとえ運命の渦の中にあっても、貫いて正解でした。」??カルテジア
プロフィール>>
歳主と鳴式の力がその身で交わり渦巻き、彼女をまだ見ぬ明日へ押し出す。…pic.twitter.com/K6BZK9vAFV— 鳴潮 (Wuthering Waves) 公式 (@WW_JP_Official)May 7, 2025
リナシータの鳴式「レビヤタン」も(恐らく)消滅したと思われ、リナシータ編もいよいよ佳境に入ってきた感じだが、とはいえリナシータ編自体はまだ完結していないので、今後のストーリーも気になるところ。
様々なファン有志による考察ページなども充実しているので、改めてこの一年間を振り返りたい人は、そういったサイトを巡ってみるのも良いだろう。
1周年記念イベントは、可愛い「団子」たち
これまで「鳴潮」のストーリーは、ほぼほぼシリアス一辺倒という感じで、ギャグ要素らしい部分は皆無に近かったのだが、1周年記念イベントでは、これまでの主要登場人物らがなんと可愛いお団子になって様々なイベントを繰り広げるという、これまでとはかなり変わった内容となっている。
1周年記念のメインとなるのは期間限定のコンテンツ「ダンゴでダンジョン」。第二ソラリスの周年記念式典が間近に迫るなか、団子たちの故郷がアブ大王の襲撃を受け、捕らえられてしまった。ダンジョンを走り抜け、団子を救出していく、というバトルメインでありつつストーリーもかわいらしいイベントだ。
ほかにも、団子たちのレースを見守る「走れ団子ちゃん」なども開催。団子たちのレースは生中継方式で見ることができる。(もちろんあとからでもリプレイで見返せる)応援した団子が1位で走り抜けられるように、応援することもできるのだ。
こういった1周年記念イベントをクリアしていくと、大量のガチャアイテムや星声(ガチャを回すための石)がもらえる。
「鳴潮」がこれまで紡いできたシリアスな展開とは真逆を行く1周年記念イベントだが、心がほっこりするような内容になっているので、これを機に復帰を考えているプレーヤーは、ぜひとも1周年記念イベントが終わる前に豪華報酬を手に入れてほしいところだ。
バトルのクオリティはますますアップ
「鳴潮」といえば、バトルも外せない要素だ。 パリィやジャスト回避などを駆使しまくるバトルは、面白くてプレイしていると眠気も吹っ飛んでしまう。
一方で、本作のバトルはアクションにあまりに偏りすぎているため、なかには「鳴潮」のバトルを「難しい」と感じてしまう人もいるだろう。実際、「鳴潮」は通常攻撃を連打していればいいとか、共鳴スキルをむやみやたらに使っていればいいとか、共鳴解放をぶっ放していればいい、というわけではない。
例えば協奏エネルギーが貯まっている時に場に登場するキャラクターを切り替えると、変更前のキャラクターが終奏スキルを、変更後のキャラクターが変奏スキルを使うのだが、終奏スキルは敵にダメージを与える以外にも、次に登場するキャラクターを強化したりするものもあるので、いかに協奏エネルギーでメインアタッカーにバフを回すか、といったようなテクニックも必要になってくるのだ。
こういった各キャラクターの役割や各種スキル、使い方を把握する必要があるので、難易度は高めなのだが、ある程度の回し方さえ覚えてしまえば初心者にも使いやすいキャラクターもいる。それがリナシータ編の開始と同時に実装されたカルロッタだ。
共鳴スキル扱いになる共鳴解放が強力で、共鳴解放を発動したあと特殊な射撃状態に入り、その状態で4回通常攻撃(特殊攻撃)を撃てば、5発目の攻撃でカットインが入り、強力な一撃を放つことが可能なのだ。
カルロッタは、通常攻撃、共鳴スキルを2回、強化重撃、共鳴解放、5発まで撃って次のキャラクターに交代(ショアキーパー等)を繰り返すだけなので、とにかく「鳴潮」初心者にもぴったりなのである。
とはいえ、動きとしては一度覚えてしまえば単調になりがちなキャラクターでもあるので、ここがソーシャルゲームとしての「鳴潮」の難しい立ち位置になっているとも感じられる。
アクションが苦手な人にとっては、カルロッタのようなキャラクターは非常にありがたいだろう。しかし、コンシューマゲームのような難易度高めのアクションを求める人にとっては、もっとトリッキーなキャラクターのほうが動かしていて楽しいだろうし、この「難易度の設定」とは、ソーシャルゲームにおいて非常に難しいところだ。
「簡単で楽しい」プレーヤーもいれば、「難しくて楽しい」プレーヤーもいるのがソシャゲ界隈であり、「鳴潮」は様々なキャラクターを出すことで、そのバランスを上手く取っているのではないかと、筆者は感じている。
実際、その後実装されたカンタレラなどは回復型アタッカー兼サポーターで、初心者にとってはどの役割でどう動かせばいいのか少々難しいキャラクターだと筆者は感じた。一方で、カンタレラを上手く使いこなせればかなりの火力を出すことができて、メインアタッカーに据えることもできるのだ。
今のところ、星5キャラクターはいずれも強力で、実装当初「ちょっと火力を出しにくいかな?」と思われていたフィービーなどは、後に実装されたザンニーとの相性が抜群によく、ザンニー&フィービー構成は、攻撃とサポートのバランスが取れた編成になる。
それに前述のカルロッタは、終奏スキルで次に登場するキャラクターの凝縮ダメージと共鳴スキルダメージにバフをかけることができるため折枝(オリエ)との相性が最高によく、カルロッタを使うならば折枝はぜひともゲットしたいサブアタッカーだ。
「鳴潮」は、将来も見据えたキャラクター構成になっており、引いた当初は「どう使えばいいのかな?」となったキャラクターも、数か月後には最高のサポーターの位置を獲得していたりする。
少々話がそれたが、「鳴潮」は初心者向けと思われたキャラクターから、ちょっと玄人向けと思われたキャラクターまで、様々なキャラクターを出すことで、そのバランスを上手く取っている、という点において、非常に優れたゲームではないだろうかと考える。
アクションは一見難しくも見えるが、決してアクション下手なプレーヤーを切り捨てているわけではない。だからといってアクション上級者に「バトルがつまらない」と思われないような、最善のバランスをこの1年間、見事に維持し続けていると思っている。なので、「アクションが難しそうで……」という人にもぜひとも触れてほしいゲームなのだ。
この先、2年、3年、いや10年、その先まで年月を積み重ねていけそうなポテンシャルを持っている「鳴潮」。1周年を迎えた今、この先ストーリーやバトルがどう進化していくのか、まだまだ楽しみなゲームである。
まずは、リナシータ編の続きや、直近で実装される予定のシャコンヌ、そしてカルテジアなどを楽しみに待ちつつ、1周年イベントも楽しんでいってもらいたい。
『後悲鳴人類記事:交錯する星群れ』共鳴者展示 | シャコンヌ
「英雄の物語は、吟遊詩人が語り継いでいくものさ。でも、そこに喝采や花束は必要ない。なぜなら私は、ただの語り部に過ぎないからね。はじめまして、伝説の大英雄さん。私のことはシャコンヌと呼んでほしい。」
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— 鳴潮 (Wuthering Waves) 公式 (@WW_JP_Official)May 17, 2025
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🧠 編集部の感想:
「鳴潮」の1周年を迎え、その進化を感じることができる良いニュースですね。ストーリーやキャラクターの魅力、バトルのクオリティが高まっていることが多くのプレーヤーを惹きつけているのは素晴らしいです。また、1周年イベントの「団子でダンジョン」など、ユニークな要素が追加されているのも楽しませてくれます。今後の展開も期待大ですね!
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