


認知能力が高い人はモラルが低い?新たな調査結果
2025年8月3日、イギリスのエディンバラ大学の研究チームが発表した調査結果によると、認知能力が高い人々は道徳的価値観への支持が弱い傾向にあることが示されました。この結果は、一般的に認知能力の高い人が倫理的に成熟していると考えられていることに対する新たな疑問を提起しています。
研究の背景と目的
先行研究では、高い認知能力とリベラルな価値観(例えば慈悲や公平性)との関連が示された一方で、忠誠心や伝統、純潔性などの拘束主義的な価値観に対する支持が低いことも示唆されています。このため、ザカリン氏らは認知能力と道徳的価値観の関係を明確にするために、道徳的価値観の測定方法を改善し、既存の認知テストを使用することに決めました。
道徳的基盤理論へのアプローチ
研究の中心には「道徳的基盤理論」があります。この理論では、道徳的判断は以下の6つの基盤に基づいているとされています:
- 個人主義的基盤:ケア、平等
- 拘束主義的基盤:比例性、忠誠心、権威、純潔性
例えば、リベラルな人々は個人主義的基盤を重視するのに対し、保守派は拘束主義的基盤を強く支持する傾向があります。
研究の方法と結果
ザカリン氏らは、イギリスから802名を対象にオンラインで道徳的基盤に関する質問を行い、その後463名が認知テストを受けました。さらに、857名の別の成人を対象に同様の質問と認知テストを同じセッションで実施しました。調査の結果、認知能力が高いことは、すべての道徳的基盤(ケアや平等を含む)への支持が弱いことと関連していることが分かりました。
特に言語能力と純潔の間に明確な負の相関が見られ、高い語彙力を持つ人は伝統的な価値観に対して疑問を持ちやすいという結果が得られました。
研究者の見解と今後の展望
ザカリン氏は、「道徳は直感的な感情に根ざしているが、認知能力の高い人はそれを疑問視したり再解釈したりする傾向がある」と述べており、解釈の多様性が高い可能性に言及しています。また、この調査は英語圏の文化に基づくものであるため、他の文化圏において同様の結果が得られるかどうかについて、さらなる研究が必要であると指摘しています。
この研究結果は、認知能力と道徳的価値観の理解を深める重要な一歩となっており、今後の社会における倫理観の議論にも影響を与えることでしょう。
🧠 編集部より:
認知能力が高い人はモラルが低いという調査結果について
最近のイギリスでの研究は、認知能力と道徳的価値観の関係に新たな視点を提供しました。一般には、知性が高い人は良識を持っていると見なされることが多いですが、今回の研究では、認知能力が高い人々が道徳的基盤への支持が弱い傾向にあることが明らかになりました。
研究の背景
この研究はエディンバラ大学のマイケル・ザカリン氏が主導しており、道徳的基盤理論に基づいています。この理論では、「ケア」「平等」といった個人主義的基盤と、「忠誠心」「権威」「純潔性」といった拘束主義的基盤が提唱されています。研究者たちは、これらの道徳的基盤に対する支持と認知能力の関連性を検証しました。
研究の方法
研究には2つの主要な段階がありました。最初の研究では802名の参加者をオンラインで集め、道徳的基盤を測定する質問に答えてもらいました。次に、463名が認知能力を測定するやり取りをしました。二つ目の研究では、857名の成人を対象に同一のセッションで道徳テストと認知テストを実施しました。
結果と発見
結果として、認知能力の高さは道徳的基盤への支持が弱いことと関連していることが確認されました。特に、言語的能力と「純潔」の間に明確な負の相関が見られました。これは、高い言語能力が伝統的な道徳観念への執着を低下させる可能性があるという新しい視点を示唆しています。
文化的背景とさらなる研究
ザカリン氏は、この研究が西洋文化に基づいているため、他の文化圏でも同じ結果が得られるかを検証する必要があると指摘しています。道徳的判断は文化や社会的背景に影響されるため、さらなる研究が期待されます。
関連リンク
この研究は、道徳や倫理を考察する際に新しい視点をもたらすとともに、認知能力の社会的な影響について再考を促すものとなっています。
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キーワード: 認知能力
この研究は、認知能力が高い人々が道徳的基盤に対する支持が弱いことを示しています。
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