


高学歴の人は夜型生活による認知機能低下のリスクが高い可能性がある
概要
近年、平均寿命の延びとともに認知機能の維持が重要視されています。新たな研究によると、高学歴の人々が夜型の生活を送ることで、認知機能低下のリスクが高まる可能性が示されています。この研究はオランダのフローニンゲン大学の研究チームによって行われ、約10年間にわたり40歳以上の被験者の睡眠習慣と非言語的認知能力を調査しました。
研究の背景
私たちの睡眠リズムは「朝型」と「夜型」に分かれ、それぞれ生活リズムが異なります。特に、社会的要求が自分の生活リズムと合わない場合、ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)が生じることがあります。これは認知機能の低下と関連しています。研究チームは、オランダの公衆衛生研究データベースから登録されている23,798人のデータを利用して分析を行いました。
調査結果
被験者は低学歴群(中学校卒業以下)、中学歴群(高校卒業)、高学歴群(大学卒業以上)の3つに分類されました。高学歴群の睡眠パターンが夜型にずれるごとに、認知機能が低下する傾向があることが発見されました。特に高学歴群は、生活リズムが1時間夜型になるごとに、RFFTスコアが0.80ポイント低下しました。
なぜ高学歴者が影響を受けやすいのか
高学歴者は、通常9時から17時までの固定された職に就くことが多く、夜更かしをしても早起きする必要があります。このため、夜型の生活が認知機能に与える影響が顕著になると考えられています。
研究者は「高学歴者がクロノタイプ(生活リズム)が1時間夜型になるごとに、認知機能は0.80ポイント低下し、最も極端な夜型の人では7.2ポイントも下がる可能性がある」と指摘しています。
結論
この研究結果は、高学歴で夜型の人々が認知機能低下のリスクが高いことを示唆しています。今後、睡眠習慣の見直しや生活リズムの調整が、健康な高齢期を迎えるために重要であることが考えられます。
ニュース記事公開日:2025年06月21日 21時00分
カテゴリ:サイエンス
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🧠 編集部より:
高学歴の人は夜型生活による認知機能低下のリスクが高い?
近年、高学歴者が夜型生活を送ることで認知機能の低下リスクが高まるという研究結果が発表されました。この研究では、オランダでの10年間にわたる追跡調査が基になっています。
認知機能と睡眠の関係
睡眠は認知機能に重要な影響を与えます。特に夜型の生活リズムは、睡眠の質を低下させる可能性があります。研究チームは、学歴が高い被験者が仕事の固定された時間に縛られ、自然な生理リズムから外れることによって、より顕著に認知機能の低下を経験することを示しています。
ソーシャル・ジェットラグ
社会的な要因が個人の生活リズムに及ぼす影響、いわゆる「ソーシャル・ジェットラグ」は無視できません。仕事や家庭の都合で自分の理想的な生活リズムからずれることが、認知機能に悪影響を及ぼす要因の一つとされています。
研究の背景
オランダの大学でのこの研究では、40歳以上の被験者2万3798人の睡眠習慣を長期的に追跡し、非言語的な認知能力を測定しました。高学歴群では、生活リズムが夜型にずれることによる認知能力の低下が観察されました。
- リンク: Chronotype as a potential risk factor for cognitive decline
- リンク: Night Owls May Be at Higher Risk of Cognitive Decline
豆知識
- クロノタイプ: 人の生理的な活動リズムに基づく「朝型」「夜型」の分類です。高学歴の人に多く見られる夜型は、必ずしも生活に良い影響を与えるとは限りません。
- 概日リズム: 生物の体内時計のことで、睡眠やホルモン分泌に大きな役割を果たしています。これが乱れると様々な健康問題が引き起こされる可能性があります。
結論
高学歴で夜型のライフスタイルを持つ人々は、特に認知機能低下のリスクが高いとされているため、生活リズムの見直しが重要です。高齢化社会において、認知機能を維持するためには、質の良い睡眠を確保することが不可欠です。
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キーワード:夜型生活
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