日産自動車による出張授業、板橋で開催
3月、東京都が推進するTOKYO GX ACTIONの一環として、板橋区の小学校で日産自動車による出張授業「日産わくわくエコスクール」が開かれた。
2030年のカーボンハーフ、2050年のカーボンニュートラルという野心的な目標に向け、次世代を担う子どもたちに脱炭素社会のイメージを身近に感じてもらう取り組みだ。
特別授業に参加したのは、5年生の児童約45名。講演、ワークショップ、そして電気自動車への試乗と、盛りだくさんのプログラムが展開された。
「CO2ゼロ」って、どういうこと?
講師を務めたのは、日産の開発部門に所属する宮田啓氏。地球温暖化とCO2の関係をわかりやすく説明しつつ、電気自動車(EV)が走行中にCO2を排出しないことや、2024年初頭の能登半島地震では、EVが非常用電源として、避難所での電力供給に役立ったという話に活用されたエピソードなどを紹介した。
モデルカーで「電気の力」を体験
講演のあとは、子どもたちが手を動かす番だ。日産のスタッフのサポートのもと、リーフのミニチュアを組み立てるワークショップが行われた。手回し発電機で電気を起こし、模型の車を走らせるという実験に、児童たちは目を輝かせながら挑戦。「発電機をたくさん回したら、もっと遠くに行くかも!」と熱中する姿が印象的だった。
また、模型の車から「家の模型」へ電気を送る仕組みも体験し、EVが暮らしの一部として活躍できる未来の姿をイメージする機会となった。
音のない走りに驚きの声
ワークショップ後は、実車である日産リーフの試乗体験も実施。運転席に乗った児童たちは、「音がしない!」「全然ガタガタしない!」と、従来のガソリン車との違いを実感していた。
車体には普通充電と急速充電の両方に対応する充電ポートがあること、カーナビに充電ステーションが表示されることなどにも関心を示し、EVの実用性にも理解を深めていた様子だ。
「“リーフ”って、英語で“葉っぱ”のことなんだよ。排気ガスを出さないから、空気を汚さず、自然にやさしいって意味がこめられているんだ」
スタッフが語るエピソードも、子どもたちの心に残っただろう。
EVが変える未来への第一歩
今回の出張授業について、日産の宮田啓氏に話をきくと──。
「EVをテーマにした日産による出張事業は2008年から実施していますが、当初と比べて、EVはより身近な存在に変わり、子どもたちも深く理解してくれているように感じています。現行のリーフは、2017年から販売している2代目。EVとしての出力や航続距離などを追求し、タイヤから独自設計にするなどのこだわりが詰まっています。EVのメリットだけでなく、クルマとしての楽しさも、児童たちに感じてもらえたならうれしいです」
子どもたちにとって「クリーンエネルギー」や「カーボンニュートラル」は「どこか遠い話」ではなく、今日乗った車、今日学んだしくみの中にある「いま、ここ」の体験として刻まれたに違いない。
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