🔸内容:
鈴木清順監督の初期作品「青い乳房」は、1958年に日活から公開されました。この映画は、親に反抗する思春期の若者が成長していく青春物語です。主演は、小林旭が務める高校生役で、物語は親との対立を描いています。
ストーリーは、父親の美しい後妻(渡辺美佐子)に反発する息子と、同様に母親の新しい恋人に悩む女子高生(稲垣美穂子)との友情を軸に進行します。二人は大人の複雑な世界を体験し、後妻は過去の暴行事件に関する絵画展へ招待され、物語に緊張感を与えます。
監督特有のスタイルで、清純な側面と欲望に彩られた暗い側面が対比され、最後には驚きの展開が待ち受けています。また、後妻を暴行した画家(演じるのは二谷英明)が、最初は優しい紳士として描かれ、終盤には恐ろしい暴力者へと変貌する演技が見どころです。
この作品のテーマには、危険な道を歩んでいた不良が、父親としての役割を受け入れることで成長する姿も描かれています。清順監督の作品は、単なる青春物語を超えた深い人間ドラマとして、多くの観客に感銘を与え続けています。現在、Amazonプライムで視聴可能です。
🧠 編集部の見解:
鈴木清順監督の「青い乳房」を観た感想、結構いろんなことを考えさせられますね。1958年という時代背景も相まって、青春映画の中に潜む親子の葛藤や愛の形がリアルに描かれていて、観る側としてもエモーショナルになります。
小林旭が演じる高校生も、ただ反抗するだけの若者ではなく、内面的な成長を遂げていくキャラクター。特に、後妻を演じる渡辺美佐子との関係性が絶妙で、彼女の過去が徐々に明かされることで、物語に深みが増していく様子が印象的でした。
また、暴行を受けたというテーマが作品にカラーを加えていて、当時の社会状況を考えると、観客にとってショッキングだったのではないかと思います。このような映画が作られることで、観客は当時の社会の闇に目を向けさせられることになりますね。
豆知識として、鈴木清順監督は後に「乱れ雲」なども手掛けているんですが、彼の作品はどこか幻想的で、リアリズムと夢のような映像が共存するのが特徴。日本映画の歴史において、彼のスタイルは独特で、今でも多くの映画ファンに影響を与えています。
感想はさておき、やはり物語を通じて描かれる人間の複雑さ、愛憎、成長といったテーマは時代を超えて共鳴するものですよね。「青い乳房」を観たことで、改めて人間の深い部分に触れることができたように感じました。
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キーワード: 反抗
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