🔸内容：
番外編「階段話」
ある日、配達業者のおじさんから聞いた東山の廃墟のようなアパートの噂を思い出したろるこ。興味本位でそのアパートを訪れると、外観の荒廃ぶりに驚きながらも、何とか402号室を目指して階段を昇る。夜の薄明かりの中、不安が募る中で最上階に到達。
しかし、最後の一段で目にした光景は、ぐったりとした人影だった。心臓が凍る瞬間、彼女の目に映ったのは、泥酔した友人である2号だった。「クジラ……後追い……」と寝言をこぼしながら、彼は廃墟の階段に転がっていた。
ろるこは彼を見て驚愕するが、この不条理な状況に対して果たしてどのように行動するのかが物語のクライマックスだ。彼女は2号を介抱するのか、それともその場を離れるのか、読者の想像に委ねられている。
あとがき
この作品は「無茶ブリお題道場」の400文字程度の「階段話」というお題に挑戦したもので、590文字に収めるために努力しました。普段は短くなることが多い中で、物語が長くなってしまうのは、創作の面白さでもあります。また、続きの気になる部分で切れているため、読者には想像が広がる余地が残されています。
詳しい内容は連載中の『配達員ろること2号』にて、より恐ろしい階段話が展開されます。興味があればチェックしてみてください。
最後に、本作はフィクションであり、登場人物や場所は実在のものとは無関係です。この作品を楽しんでいただければ幸いです。
🧠 編集部の見解：
この記事は「階段話」というテーマで、恐怖とユーモアが交錯する短編ストーリーですね。まず、環境や人々の浮かぶ不気味さ、特に廃墟のアパートに住む人影との遭遇は、やはり心に響きます。
配達先の402号室、無灯の階段、そして突然現れる泥酔した2号。まるで映画のワンシーンを見ているかのようです。これって、深夜の不気味な環境が織り交ぜられることで、瞬時に恐怖を感じる心理行動を描写している気がします。
実際、都市伝説や怪談の多くはこのような「見えない恐怖」から生まれていますよね。特に、日本では「ぼっち屋」や「くねくね」など、身近な場所に潜む恐ろしさが多く語られます。
社会的な影響としては、こうした物語は注意喚起にもなります。慣れ親しんだ場所でも、ふとした瞬間にどんな危険が潜んでいるか、というメッセージがあるように感じられました。特に若い世代に警戒心を促す効果もあるかもしれません。
ちなみに、「階段」に関連づけられる雑学として、実際のホラー映画では、狭い階段や暗い通路がよく使われるのは、視覚的に緊張感を高めるためでもあります。狭い空間は逃げ場がない不安感を生むからなんです。
面白いのは、最後に読者の想像に委ねるスタイル。これにより、各々が自分の恐怖体験を重ねやすく、想像の幅が広がりますね。物語の余韻を楽しみつつ、自然と日常の中に潜む不気味な側面を意識する。《配達員ろること2号》の他のエピソードも気になります。どんどん恐怖の深淵が掘り下げられている予感がします！
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