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ホーム転職「退職します」と言われた日、私が思い出したこと ~おだやかアップデート 4~おだやかPSW25

「退職します」と言われた日、私が思い出したこと ~おだやかアップデート 4~おだやかPSW25

🧠 概要:

概要

この記事は、著者が就労支援施設で後輩から退職を切り出された際の経験を振り返り、その時の心情や対応を詳細に述べている。特に、退職の決意やその背景を尊重し、後輩をサポートする姿勢が強調されている。また、過去の自分の経験を踏まえ、後輩に対して実践的なアドバイスを提供する重要性についても触れています。

要約(箇条書き)

  • シリーズの目的: 記事は、過去に削り落とされた思いやエッセンスを再編集して伝える「おだやかアップデート」の一部。
  • 退職の経験: 著者が管理者として後輩からの退職希望を受けた際の心情と対応を回顧。
  • 自分の転職経験: スムーズに退職を応援し、自身の経験からのアドバイスを通じて後輩を支援。
  • 心情の共有: 退職希望を抱える後輩の緊張感を理解し、過去の自分の心情を想起。
  • 退職理由の確認: 後輩に退職理由を尋ね、共感的に接しながら退職をサポート。
  • 転職のアドバイス: 自身の転職経験から得た教訓を基に、後輩が転職で苦労しないための情報を提供。
  • 業務の引継ぎ: 実務に関する確認や引継ぎの調整を行うことの重要性。
  • 管理者としての成長: 過去の自分の心配を振り返り、後輩の能力を信じることが重要であると気づく。

「退職します」と言われた日、私が思い出したこと ~おだやかアップデート 4~おだやかPSW25

おだやかPSW25

2025年5月23日 15:14

過去に私が書いてきた、PSWに関する記事がありまして。
記事をアップする際に、文字数の制限があったため、削りに削ってまとめ上げてきました。

だけども、削り落とした部分にも言いたいことが、たくさん含まれているんですよ。
さらに昔の記事を見直すと、その時に書き忘れたことを思い出したり。

削った行間にこそ語りたい思いが詰まっていた──そのエッセンスを再編集して届けるシリーズが「おだやかアップデート」です。

過去の記事はこちらから
その1

その2

その3

今回は、私が就労継続支援B型(以下、就B)の管理者時代に、後輩から退職を切り出された時の話。アップグレード部分では、実際の場面を思い出し、私がどのように考え、どんな流れで対応してきたか深掘りします。

さらに少しだけ、就Bで働くPSWの課題?について触れていますよ。

あなたが管理者の立場なら。職員から退職を切り出された際、どのように考えて、対応しますか。

管理者でない方の場合は、将来、管理者になったという想定で読んでみてくださいね。

※ 今回の話について今回の話は「ある程度、職員数がいる職場のお話」という前提で読んでくださいね。

職員数が少ない職場で働く管理者にとっては、役に立たない話になりそうです。

仕事、辞めることにしました…

施設長をしていると、後輩から退職を切り出されることもありますね。そんな時、私は昔の自分を思い出します。合計5つの職場でPSWとして働いてきた私。

ありがたいことに、時々先輩方から退職を踏みとどまるよう説得されることもありました。

でも、辞めると決めたら、辞めたいんだ!

「退職すると決めたら、自分がいなくなった後の職場のことは考えず、自分ファーストで」という方針でこれまで立ち振る舞ってきました。だから、後輩に「人手が減って大変だから、辞めないでもらえない?」なんて言えません。

施設長の立場として、職場の戦力が抜けてしまうのは大変ですが、これまで好き勝手に転職してきた私の立場からは、後輩のことを応援したいのです。

退職に至る思いをしっかり聞き、自分の転職経験や役に立ちそうなエピソードをシェアします。押しつけにならないよう気をつけながら。私と一緒に働いた経験を糧にして。

退職した後輩が、新しい職場で元気に働いていてくれたら嬉しいですね。

これを読んでいる方も、過去に退職した経験をお持ちでしょうか。私がはじめて退職希望を出した時のことを思い出すと。緊張を隠すために笑顔で退職願を出した私。

理事長に「そんなにニコニコと退職願を出す人を初めて見た」とあきれられたものです。

年月が経ち、私が管理者をしていた頃。いつしか立場は逆転していました。ある日突然やってくる、後輩からの退職希望。今度は私が退職を受け止めなくてはいけない。

さて、どうしたものか…。

先に結論をお伝えします。退職したい後輩に対して、私が大切にしていた2つの考え。

「昔の自分を忘れない」
「後輩が転職で苦労しないように」

では、実際に後輩から退職を切り出された場面を振り返ってみましょう。

昔の私を忘れない

緊張した面持ちで、退職を切り出す後輩。その姿に、過去の自分の姿を照らし合わさずにはいられません。

私は過去の職場でどんな立ち振る舞いをしてきた?駆け出しのPSWだったあの頃の私は、退職する時、何を考えていた?私は、職場の先輩たちにどうしてもらってうれしかった?

そんな考えが、頭の中で思い出されては消えていく。一方で、管理職の私も黙ってはいない。

いやまぁ、そうなんだけど。今、人手が減ったら、現場は大変じゃない?せっかく数年かけて、職場の戦力として十分育ってくれたのに。引き留めた方がいいんじゃないのかな。

すぐさま、昔の私が反論します。

退職すると決めたら、誰の意見も聞き入れなかった。さんざん自分の思いを優先させて、何度も退職してきた私。その都度、職場に迷惑をかけてきた。それでも職場に残る職員は、私を笑顔で送り出してくれた。職員の笑顔を見ると、今になって「仕事、ちゃんと回せるかな」と心配してしまう。もっと今後の仕事の進め方を指示しておけばよかったのかな…。いや、そうじゃない。必要な引継ぎ以上の指示出しは、ただのおせっかい。後は職場に残る人たちの仕事と割り切って。

私は気持ち新たに進んで行くだけ。

そんな風に自分に言い聞かせて、好きなように転職してきたでしょ。なのに、目の前にいる後輩には辞めるなっていうの?

それって、自分勝手でずるくない?

過去の私と管理職の私の会話。一瞬にして、私の頭の中で繰り広げられる。でも、勝負はする前から決まっている。

管理職の服を脱ぎ捨てた私は、同じ悩みを経験してきたPSWとして、後輩と向き合うのでした。

退職理由はなあに?

過去の私よ、しばし待っておいてね。まずはお決まりの質問から。退職を決めた理由やいきさつを後輩に尋ねます。できれば後輩の本音も聞いてみたい気もするけれど。

昔の私だったら、100%本音で上司に話なんてしてこなかったよね…。

そう割り切って、ある程度話を聞いたら、次に進みます。

後輩が転職で苦労しないように

退職理由を聞いた後、私は一人のPSWとして後輩の退職を応援することを伝えます。
スムーズに退職の話が進むと分かった後輩は、ちょっと安心してくれたかな。

続けて、おせっかいだと理解しつつも、転職を繰り返してきた私から後輩に伝えておきたいことがある。
初めての転職となる後輩だと、特に気になって仕方ない。

私がはじめて転職した時のこと。初出勤直後から、感じた引っ掛かり。それは、職場の価値観や雰囲気に対する“違和感”だった。些細なことだったけれど、うまく溶け込めないと感じてしまう私がいた。その思いは時間が経っても消えることなく、心の中にしこりとして残った。その後、突然の激務に襲われたのをきっかけに、うつが始まり2年で退職。転職先にうまくなじむ大切さを、私は身をもって実感している。

後輩には余計な気苦労をしないでもらいたいな。

過去の私の経験と後輩の性格などを照らし合わせたうえで。
あらかじめ知っておいた方が苦労せずに済みそうな知恵や体験談を、かみ砕いて後輩に説明しました。

おせっかいする、もう一つの理由

私と同じ苦労をせず、次の職場で活躍できるように。そんな思いで後輩にアドバイスする私です。

実はおせっかいをする隠された理由が、もう一つ。

「就B業務に特化した仕事内容」
なんのことか、詳しく説明しますね。

私が過去に働いた職場では、個別支援に時間を使い、関係機関と連携を図りながら支援体制を組み立てていくことも珍しくなかった。
他にも関係機関会議に出席したり、グループワークの司会進行をしたりと、幅広くPSW業務を経験してきたものです。

就Bに就職してからわかったのですが、ほぼ施設内業務で完結してしまう業務内容ばかり。勤務時間の8割近くを占める仕事は、以下の2つ。

 作業進行の管理とクライアントのサポート
 販売活動の支援

そして、夕方の空いた時間に事務作業すれば、終業時間を迎える。

他機関と連携しながら支援を構築するケースもあるけれど、割合としては少数しかなかった。
職員の勤務時間の大半をメインとなる業務に当てないと作業が回らないので、個別支援に使える時間もかなり限られてくる。

私が管理者になってから、作業の効率化を推し進めてきた。その結果、以前より効率よく作業を進められるように改善したはず。それでも、職員が自分の判断で自由に割り当てられる時間は限られていた。

私の力量のなさと言えば、それまでです。

ひとつ言い訳をさせてもらうならば。就Bの役割として、クライアントにお支払いする工賃を上げることが求められるんですね。工賃を上げるためには、売上を上げるか、コストを下げるしかない。売上を上げるには、作業に注力せざるを得ない。クライアントに支払う工賃の年間平均支払額によって、法人が行政からもらえる金額も変わる。だからこそ、クライアントに支払う工賃を無視することが出来ない。通所するクライアントに働いてもらうにしても、職員が責任もって確認し、最終的にミスが無いようにしないといけない。となると、必然的に職員が作業に入る時間が増える。

対人支援を行う福祉職で採用されたはずなのに、作業場に張り付いて行う仕事中心の日々。

それでも後輩の希望に添えるよう、ケースカンファレンスや関係機関会議への出席や個別支援に必要な外出の機会を取るようにしてきました。
しかし、他機関との連携や個別支援に十分時間を使える体制だったとは言えませんでした。

その結果、就Bでしか通用しないPSWになっていないか。偏った経験しかないPSWが、就B以外の職場でうまくやっていけるのだろうか。

「経験のあるPSWとして採用したけど、期待外れだな」なんて、後輩が見られてしまわないだろうか。

そんな答えのない私の心配が、後輩へのアドバイスにつながったのです。

事務的な確認

先輩からのアドバイスが終わったなら、実務に関することも詰めなくてはいけません。

具体的な退職の時期後輩が担当している業務内容の再確認

業務の引継ぎに関する調整

などでしょうか。

最後に

後輩の退職を見送ってから、かなりの年月がたった今となっては。「そこまで心配しなくてもよかったのでは?」とも思うんですよね。

だって、あんなふうに後輩を心配するは、後輩の力を信じてないからじゃない?

私も転職先ではじめて取り組む仕事の方が多かった。自分なりに頭を使って取り組んだり、職場の先輩に教えてもらいながらチャレンジしたり。そうして少しずつスキルアップしてきたものです。なのに、はじめから後輩ができないと決めつけて、あれこれ言いすぎてたのかな。

失敗して困るのも含めての経験ですよね。

もし、この記事を読んだあなたの目の前に退職希望する職員が現れたなら。
シンプルに考えてみませんか。

「あなたが後輩の立場なら、どうしてもらうとうれしいですか」

おだやかPSW25

自分も先輩たちに助けてもらったように。これからPSWとして活躍したいと思う方のお役に立ちたくて。皆さんが心おだやかに、仕事に向き合えますように。そんな思いで、を始めました。 利害関係のないPSW歴25年のおじさんが、仕事で経験したことを中心に書いています。



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