ずば抜けて実務能力が高くなくても人より成果を上げられる人は何が違うのか。
今、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション・木下勝寿社長の『「悩まない人」の考え方』と『時間最短化、成果最大化の法則』がベストセラーとなっている。
木下氏は「私は実務能力がずば抜けて高いわけでない。だが①悩んでいる時間の短さと②タスク管理能力の高さだけは突出しているかもしれない」という。①と②にそれぞれ対応したのが上記2冊。そこで「ここ20年以上悩んでいない」という著者を直撃。今回は「賃貸か持ち家かに関する論考」である。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

「賃貸」か「持ち家」か?「もう一生迷わない」すごい思考回路とは?Photo: Adobe Stock

「賃貸か持ち家か」を判断する3つの基準

 賃貸か? 持ち家か?
 ネットを見てもこの議論は昔から人気があるようだ。

 ただ、貴重な時間を無駄にしてはいけない。
「悩んでいる時間を短くする」のは長期的に見てとても大切なことだ。

 こういうとき、「悩まない人」の頭の中では何が起こっているのだろう。
「悩まない人」は、次の3つで判断する。

 1. お金
 2. 居住性
 3. メンテナンスの手間

 個人個人、どれを重視するかによって結果が違う。

 まず「お金」で見ていこう。
 私の場合、10年前、マンション(持ち家)を購入した。

 必ずしも投資目的で買ったわけではなく、これからも売るつもりはないが、現在は購入時の約2倍の価格になっている。結果的に購入してラッキーだったと思う。

 次に、「居住性」はどうだろう。
 これについては自分でつくり変えることができるので、持ち家のほうが自由度が大きい。

 ただ、「メンテナンスの手間」で考えると、何かあったときに管理会社に依頼できることが多いので、賃貸のほうがいいかもしれない。

誰にヒアリングすべきか

 この3点で見ると、どんな価値観を持っているのか、所得がどれくらいか、物件が何かなどによって判断は異なるので、いろいろな人にヒアリングして自分の価値観で判断するのがいい。

 ただ、聞く人を間違えてはいけない

 世の中には次の3種類の人がいる。

 1. 「賃貸」しか経験がない人
 2. 「持ち家」しか経験がない人
 3. 「賃貸」も「持ち家」も両方経験している人

「賃貸しか経験がない人」は「賃貸派」が多い印象だ。
 大事なのは「賃貸も持ち家も両方経験している人」に聞いてみることだ。

 両方経験したことで広い視野から最終ジャッジできるだろう。

「AかBか」という二者択一の問題はこれからも出てくると思うが、今回のような考え方のクセ(思考アルゴリズム)を脳にインストールしておくと、とっさの判断のときに役立ち、悩む時間も大幅に短縮されるだろう。

(本稿は『「悩まない人」の考え方――1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による書き下ろし記事です。)