「“肩透かし”の163分──『ミッションインポッシブル:デッドレコニング 』はなぜ期待外れだったのか」福田　光宏

全然面白くなかった。6月末にテレビ放送されるが、3時間張り付いてみなくてもいいだろう。

ミッションインポッシブルも、もうダメだなと思う。

前作でシンジケート周りの話が終わった。そこそこいい終わり方なのに、また続きを作ってしまう。

そもそも脚本が古臭い。AIが敵で、倒すのが２つの鍵。それもみてる側は何の鍵か知ってるがイーサンたちは知らない体。

イルサの退場もひどかった。前半の死んだフリで消えてる方がマシだった。

よく分からない敵であるガブリエルに何故か負けてしまう。

新ヒロインのグレースはただの泥棒であり、そこまで感情移入ができない。過去一のミッションなのに、素人がいることが耐えられない。

イーサンがIMFに参加する前や、加わるきっかけとなる大切なエピソードありそうなのに全てがしょぼい。

そもそも、ミッションインポッシブルで二部作にしたのは間違いだった。

—1. 導入あのトム・クルーズ主演の大ヒットシリーズ最新作が、なぜここまで肩透かしに終わったのか――。日本公開：2023年7月12日、監督：クリストファー・マッカリー、主演：トム・クルーズ（イーサン・ハント役）。シリーズ史上最長となる163分の本作は、果たして私たちの期待を裏切ってしまったのか。今回は“中途半端な続きもの”として際立った問題点を、過去作との比較も交えながら紐解いていきたい。— 2. 背景・前提知識シリーズの歴史  『ミッション:インポッシブル』は1996年の第1作公開以来、スパイアクションの金字塔として進化を続けてきた。特にクリストファー・マッカリー監督がメガホンを取った『ローグ・ネイション』（2015年）、『フォールアウト』（2018年）は高い評価を獲得し、「シリーズ最高峰」と評されている。期待値の高さ  『フォールアウト』が全世界で約80億円を超える興行収入を記録したことで、続編への期待はさらに加速。Part One という分割構成自体が“壮大なる前フリ”として注目を集めた。—3. 主な批判ポイント3.1. 冗長すぎる上映時間とテンポの悪さ163分という長尺にも関わらず、物語の中核を担う起承転結がぼやけている。プロローグから導入部までに異常に時間を割き、ここぞという瞬間に観客の集中力が切れがち。無数に登場するサブプロットに気を取られ、本筋の“ミッション”が埋没してしまった。3.2. 薄いキャラクター描写主要キャラクターの動機が断片的で、感情移入しにくい。* イーサン・ハントの新たな葛藤は提示されるものの、本作では語られるにとどまり、画面を通じての実感が薄い。* 最大の敵役とされるガブリエルの内面が浅く、“人間対人間”の緊迫感が感じられず、紛争のスケール感だけが先行してしまった。3.3. アクションシーンのマンネリ化シリーズの看板である肉体派スタントが後退し、CG多用の演出にシフト。* ド派手さは健在ながら、CGと実写の切り替えが不自然で、一連の流れに没入しづらい。* 高所アクションやカースタントなどのお決まりパートが“またこれか”という感覚を生み、驚きが薄れている。3.4. 物語の解決感の欠如Part One という区切りゆえの中途半端なエンディングが、観客に強い“消化不良”をもたらした。* 終盤で主要プロットがいくつも未回収のまま幕を閉じ、想像以上に続編への期待だけが先行。* 「次回を待たせる戦略」と理解しても、今作単体の満足度は大きく損なわれている。—5. なぜこうなったのか──考察1. シリーズ継続と世界観拡大のジレンマ   物語を膨らませるあまり、本来の起承転結が崩れ、観客が感情移入しづらくなるリスクを孕んでしまった。2. 製作意図と商業戦略のはざまで   チケット販売や配信契約など、続編前提のビジネスモデル最適化がコンテンツの質より優先された可能性がある。3. **監督の作風変化**   クリストファー・マッカリー監督の「実験的アプローチ」が、これまでのシリーズが築いてきた“骨太のアクション映画”像と乖離を生んだともいえる。—6. 結論

『デッドレコニング PART ONE』が期待外れに感じられた最大の要因は、「中途半端さ」に起因するストーリー構成の乱れと、シリーズの根幹である“手に汗握るリアリティ”の希薄化である。