🧠 あらすじと概要：
あらすじ
「紅い眼鏡」は、押井守の初実写監督作品で、一般人としての憧れを抱く主人公が展開する奇妙でシュールな物語です。物語は1995年の熱い夏を背景に、夢と現実が交錯する中で、独特の名言やギャグが散りばめられています。主演は声優の千葉繁で、彼が演じる主人公は、一般人である彼のキャラクターを活かしながら、不可能を可能にするヒーローへの憧れを体現しています。多くの名声優が参加し、音楽は川井憲次が担当しています。
記事の要約
この記事は、「紅い眼鏡」に焦点を当て、押井守監督のユニークな視点から描かれたディストピアなギャグと夢の要素を強調しています。千葉繁が演じる主人公は、一般人がヒーローとしての願望を持ち続ける姿を通じて、観客に共感を呼びます。名言や多様なキャラクターの関与により、作品はシュールでありながらも感情的な深みを持っています。また、音楽や声優陣の豪華さも評価され、多くのファンにとって必見の作品であるとされます。
イーサン・ハントのような超人になって不可能を可能にしたい。岸辺露伴のように不思議な力で冒険したい。
男なら誰もが憧れるヒーローになるという願望。
映画、漫画で見る登場人物に自分ならこうするという妄想。これを形にした幻の作品が令和に蘇った。
「紅い眼鏡 4Kレストア5.1chヴァージョン」。
巨匠、押井守第一回実写監督作品。
「1995年夏 人々は溶けかかったアスファルトに己が刻印を足跡しつつ歩いていた 酷く熱い」「正義を行えば、世界の半分を怒らせる」「待っていたのは俺だけだ」
「犬は生きよ、猫は死ね」
中学生が真似して使いたくなるような名言が繰り出すディストピアな作風とは想像できないシュールなギャグが頻繫に登場。その夢と現実を行き来する構成は押井版「世にも奇妙な物語」といえる怪作だ。
主演は声優界のレジェンドofレジェンド、千葉繁。
「北斗の拳」のザコキャラ、「うる星やつら」のメガネと我々一般人に限りなく近い役を演じ続けた漢が主人公として撃つ、殴る、走る！
押井監督が「うる星やつら」演出な事もあり、鷲尾真知子、玄田哲章、田中秀幸、永井一郎、実は少しだけ登場の古川登志夫＆平野文と千葉氏筆頭に「うる星やつら」関係者が多数参加。玄田氏は顔にピンと来なくても声ですぐに分かる存在感。実はダンスが得意らしく、終盤の一人マンボはここでしか見れない。
後の大物声優も参加。
8年後に碇ゲンドウに抜擢。以降、マダオ、PRIDE煽りV、イッテQでお馴染みの立木文彦氏が白塗りの敵兵を殆ど台詞無しで怪演。6年後に桜木花道役で90年代屈指の人気声優になる草尾毅は死体役。「THE FIRST SLUM DUNK」のキャスト総交代を残念がった初代スラダンファンはどこにいたか是非当ててみて欲しい。
音楽担当は川井憲次。今年上半期だけで「トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦」、「ウマ娘 シンデレラグレイ」と心躍る名盤を聞かせてくれる氏が手掛けた主題歌「The Red Spectacles」は親日本プロレスのレッドブル軍団、PRIDEのイゴール・ボブチャンチン、K-1のアレクセイ・イグナショフと露・東欧州区域の選手が入場曲として使用。
我々PRIDE世代はこの旋律とレニー・ハートの「イ～ゴール・ボ～ブチャン、チン！！！」のコールがセットで耳に残り、桜庭和志をしてヴァンダレイの曲と同じくパンチが効いて頭から離れないと言わしめた名盤である。
これだけの面子が関わっているだけでアニメファン（ついでにプロレスファンも）必見の作品だが、変な作品であるのには変わらない。
しかしヒーローに憧れる名も無き凡人に寄り添ってきた千葉繫がハードボイルドに見栄を切る姿は我々凡人の憧れを叶えてくれた姿である事も事実。
そもそも夢って目覚めた後に思い出しても「！？」となる展開や変な光景だった事が殆どで北野武の「3-4×10月」も軍団で一際冴えない柳ユーレイが石田ゆり子を恋人にして、一緒に組事務所にタンクローリーで突っ込み爆死という超展開だったので自由に話を作れるのが夢オチの利点。好き嫌いは割れるだろうが発想は無限大だ。
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