後編


同窓会の幹事となることで、かつて自分をいじめていた同級生たちの皆殺しを計画した27歳の青年。同窓会のセッティングは完了、改造銃や時限爆弾を用意するなど、その準備は着々と進む。しかし事件当日に計画が頓挫した理由とは……?
母親(同53歳)は息子の異変に気づいていた。
帰省して以降、ほとんど言葉を交わさず部屋にこもりきり。良からぬ不安を覚え、息子が出かけている隙に1人で彼の部屋に入る。無造作に置かれたバッグの中を開けると1冊の手帳が目に入った。
ページをめくり母親は驚愕する。復讐の詳細が書かれていたからだ。
その『殺人計画書』は力強い文字で「決行の時が来た」と記され「私は中学時代に私に服従を強い、私を虐待し、私を虫けらのように扱った愚者共が許せない。私は奴等をこの世から消滅させ、そして私も消滅する」と、犯行後に自ら命を絶つ決意が綴られていた。
息子が起こそうとしている恐怖の計画を知った母親は年が明けた1991年1月1日、警察に電話をかけ全てを説明。警察がすぐに会場の旅館に向かうと、そこには前日に赤沢が運び込んだ海外産のビールが置かれていた。全ての瓶を押収し成分を調べたところ、致死量のヒ素を検出。赤沢が大量殺人を計画していると確信した警察は1月2日の朝から身柄を拘束し、事情聴取を行う。
(中略)
同窓会当日、会場で出されたビールは国産のものだった。それでも警察は念のために現場の旅館を捜索。詳しい説明はなかったものの、赤沢が良からぬことを企んでいたと聞かされた参加者は青ざめた。それが、翌日の新聞でいじめに対する復讐殺人計画だったことを知った彼らは震え、まさか主催者の赤沢に恨まれていたとは誰もが信じなかった。いじめの加害者は忘れても被害者は一生忘れない。本件はその典型である。
コメント抜粋:
辛いね
原因があるかどうか
と
誰が悪いか
の話を混同する人多すぎじゃない??
🧠 編集部の感想:
このニュースは、いじめが心にどれほど深い傷を残すかを示す衝撃的な事例です。復讐を決意させた青年の苦しみは計り知れず、いじめの加害者にはその重さを理解してほしいです。いじめが引き起こす悲劇を真剣に考えるべきだと思います。
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中学時代のいじめの記憶を、大人になっても忘れなかったある青年は、復讐を決意する。50人近い人間を大量殺人しようとした、驚愕の「復讐計画」の中身とは……。我が子を無惨に殺された親、学生時代ひどいイジメに遭った者などが仕返しを果たした国内外の事件を取り上げた新刊 『世界で起きた戦慄の復讐劇35』 (鉄人社)から一部抜粋してお届けする。