投資の短期目標を達成するためには、「株価市場が好調になることを祈りながら、ただ待つ」そんな姿勢は避けたいところ。

株価の変動が激しい今の状況だと、じっと耐えて過ごすのが嫌だという人も多いでしょう。

住宅購入や結婚資金といった2~6年程度で取り組む短期目標のための投資は、退職後に備えて構築するポートフォリオとは違う形で考えるべきだからです。

とはいえ、短期目標に取り組んでいる間も、長期目標のための貯蓄を中断してはいけません。では、どうすれば両方の貯蓄のバランスを取るコツとは?

超キホン!短期・長期の目標に向けた資金形成の考え方

短期的な目標を達成する代わりに、長期的な貯蓄がおろそかになる事態は望ましくありません。

長期的な貯蓄の強みとは時間経過に伴う複利効果であり、早くから貯蓄をはじめて、うまく運用すれば、それだけ長期的成果に大きなプラス効果を及ぼすことができます。期間が長ければ長いほど、その効果は大きくなります

特に、キャリアの中盤に差しかかるころからは、退職後の生活を第一に考えるとよいでしょう。

キャリアの初期段階では、多少なら短期目標に貯蓄をシフトしても構いませんが、それでも退職後の資金も必ず考慮に入れておくべきです。少なくとも、企業が何らかのマッチング拠出を提供している場合、活用しない手はありません

また、貯蓄の目的によっても、ある程度バランスは変わります。

休暇のための貯蓄ではなく、住宅購入のための貯蓄であるなら、退職後に備えた貯蓄の資金をそちらに回す割合を増やしてもいいかもしれません。

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短期投資に適した口座を活用せよ

短期用ポートフォリオと退職後用ポートフォリオを分けることは有益ですが、複数目的で使用できる口座もあります。

アメリカの場合

状況によっては、「Roth IRA(税引き後所得から運用した収益が非課税になる個人年金制度)」のような税制優遇口座や、課税対象の証券口座を利用するケースもあるでしょう。

通常IRA(Traditional IRA)は、59.5歳になる前に口座から引き出すと税金のペナルティが発生するため、短期投資の観点から見るとあまり魅力的ではありません。

通常IRAとは異なり、Roth IRAの拠出金は、いつどんな理由でも、税金や罰則なしに引き出すことができます

そのためRoth IRAは、緊急資金と退職後の資産の両方を築く必要がある若い投資家にとって、理想的な「多目的」口座となります。

さらにRoth IRAでは、口座開設から5年以上経過していれば、拠出金とは別に最大1万ドルの利子を、初めて購入する住宅の頭金支払いに役立てることができます

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日本の場合

日本において、Roth IRAの「税引き後拠出」「運用益非課税」「受け取り時非課税」という特徴にもっとも近いのは、新NISA

iDeCoのような「拠出時に税優遇を受けられる(所得控除)」もありますが、「受け取り時に税金がかからないこと」をより重視するのであれば、新NISAがRoth IRAの考え方にもっとも近い日本の制度と言えるでしょう。

自身の投資目的やライフプランに合わせて、新NISAとiDeCoのどちら、あるいは両方の活用を検討するのがおすすめです。

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短期的な目標に適した投資先の選び方

10年以上の期間を想定している長期ポートフォリオとは異なり、短期ポートフォリオの主な目標は、貯蓄を守りながらインフレ率を上回ること

ポートフォリオの成長を最大化することは、追加リスクに見合うだけの報酬が得られない可能性が高いため、優先順位は低くなります。

たとえば、3年で住宅を購入できるのと、その間に投資した価値が下がったために7年かかって購入できるのとでは、大きな違いですよね。

よくある投資家が犯しがちな過ちとは、リスクを取りすぎるか、取らなさすぎるかのどちらかです。

一部の投資家は、株式が長期間にわたってほかの資産クラスを上回ってきたため、短期投資にも適していると考えがちですが、そうではありません。

また、貯蓄の保護を気にしすぎるあまり、CD(譲渡性預金)やマネー・マーケット・アカウント(MMM、連邦政府の保険付き預金口座)のような保証付き商品にこだわる投資家もいます。

このアプローチは、インフレによって貯蓄の価値が目減りするため、不利になります。とはいえ、2年未満の非常に短い期間であれば、現金型の投資を保有するのが賢明です。


合理的な短期ポートフォリオがどのようなものか、モデルとなるポートフォリオを考えてみましょう。

こうしたポートフォリオは、現金と短期債券で組まれています。成長可能性を持つ株式を多少組み入れるのは構いませんが、短期目標のための資金の大半は、低リターンだが安全な資産に置くべきです。

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Originally published by Fast Company [原文

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