🧠 あらすじと概要:
映画『画家と庭師とカンパーニュ』あらすじ
都会生活に疲れた中年の画家は、生まれ故郷での田舎暮らしを始める。長年放置されていた庭の手入れをしようと、庭師を雇うことに決める。そこで出会ったのは、なんと小学校時代の同級生だった。離婚調停中で仕事への情熱を失った画家と、定年退職後に庭師になった彼は、互いに「キャンバス(画家)」「ジャルダン(庭師)」と呼び合い、次第に深い絆を結んでいく。
記事の要約
この映画では、美しい映像と穏やかな時間が描かれ、二人の会話はしばしば噛み合わないが、互いにしっかりと耳を傾け合う関係が素晴らしい。庭師との交流を通じ、画家は周囲を思いやるようになり、顔つきも優しく変わっていく。物語は静かな日常の中で進むが、死というテーマが二人の関係に影を落とす。庭師が病に倒れた後、彼の想いを残しながら、画家は彼の庭に水をまき、彼が愛したものを描いて展覧会を開く。感情が伝わるシーンが多く、思い出は消えないことが強調される。
美しい映像。穏やかな時間。2人の会話は噛み合っていないことも多いが適当にわかったフリをして流すのではなくきちんと耳を傾けて自分なりの返事をする。そして違うと思ったことは指摘する。とても素晴らしい関係だなと思いました。
だからこそお互いを助け合う存在になれた。
庭師との交流で画家がまわりのことを考えられるようになっていくと共に
顔つきも優しくなっていくのが良かったな。
【以下内容に触れています】
庭師の仕事するそばで景色を描く画家。目の前にあるものを描くわけじゃないのに、と言われると昔の芸術家たちの話を持ち出し、「中でも描ける絵を外で描くのは仲間のそばにいたいから」と話す。こことても可愛い。終始穏やかに過ぎていく時間を眺めながら2人に起こる事件は何だろうなと考えていた。(映画として何か起きるはず、という思考はあまり良くない。でも捨てられない。
何も起こらないこともあるけどね)
そうか…。死が2人の邪魔をするのか…。庭師が病に倒れ、画家が知り合いの病院に緊急入院させる。しかし手遅れの状態。死を予感した庭師は画家と釣りに出かけ「死は鯉と同じ。姿が見えなくてもいる。大きな口を開けて迫り、逃れられない」と語り、今まで何度も釣り上げた大きな鯉を「これで最後だ、達者でな」と池に戻す。ここで画家が安くさい言葉を何も言わないところが良い。庭師亡きあと、画家は彼の残した庭に水をまき、彼が描いてほしいと言っていた彼の愛したものたちを描き展覧会を開く。ここも台詞がほぼないのだが、思いが伝わってくる。ナイフと紐を忍ばせておいた方が良いという庭師のアドバイスを守る画家。
思い出は消えない。
【画家と庭師とカンパーニュ/ジャン・ベッケル】
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