🧠 あらすじと概要:
映画『教皇選挙』あらすじと要約
あらすじ:
映画『教皇選挙』は、カトリック教会の教皇を選ぶ「コンクラーベ」を舞台にした物語です。選挙は枢機卿たちが匿名で投票し、3分の2以上の票を得た候補者が教皇に選出されるという形式で進行します。初めは票が分散していたものの、徐々に特定の勢力に集中していく中で、過去のスキャンダルが発覚し、一歩間違えば絶望的な状況になる。これは全て仕組まれた陰謀であり、相手を蹴落とすための激しい心理戦が繰り広げられます。映画はこの争いの中で、教皇選挙が「万人」のためではなく「味方」のための行動になってしまった現実を描き、ラストで新たに選出された教皇ベニテスの決断とその背後にある理由が明らかになります。
要約:
「教皇選挙」は、カトリックの教皇を巡る熾烈な権力闘争を描いた映画です。登場人物たちは自らの利益のために動く中、教皇になるべき人物を選ぶという本来の意味が歪められていることを示唆します。教皇選挙の背後に潜む政治的な力関係や、候補者同士の激しい攻防が描かれ、視聴者に深いメッセージを投げかける作品に仕上がっています。また、最終的に選ばれるベニテスの選択には意外な理由があり、教皇の地位が本来何を意味するのかを考えさせられる内容になっています。
今更ながらね。
序盤は大量の同じ格好をしたおじさんが一気に登場してついていけるか不安になったが、(ちゃんと顔と名前を一致させ、)きちんと楽しむことができた。
カトリックのトップである教皇の座を争う「コンクラーベ(教皇選挙)」。そこでの静かな、そして同時に激しい争いを描いた映画だ。
選挙は教皇の次の位である枢機卿がお互いに匿名で投票し合い、誰か1人が全体の3分の2以上の票を得るまでそれを続けるという方式で行われる。
最初は割れていた票も回を重ねるごとにいくつかの勢力に集中していく。ここからがこの映画の見どころだ。
もう少しで3分の2の票数に達するかというところで過去のスキャンダルが発覚し教皇の座が一気に絶望的になる。そしてそれは実は仕組まれたもので、そしてさらにそれが仕組まれたものであることをバラして……。味方であるはずの人も信用できなくなるような激しい攻防が繰り広げられる。
そしてそれにより目まぐるしく勢力関係は変わっていく。映画の中で投票数という形でこれが可視化されることによってそれがすごく分かりやすくなっていた。
そう、この相手を蹴落としてでも教皇の座を奪い取る、そんな醜く激しい争いこそがこの映画の見どころであり面白い部分なのだ。そう我々観客に思わせるようなつくりになっているからこそ事件後のベニテスの言葉は衝撃的だった。ハッとさせられた。確かに彼らがしていたことは「万人」のためではなく「味方」のための行動だ。教皇というリーダーの座は本来誰かを蹴落として得るものではない。投票は誰かから奪い取るものではない。教皇になるべき人物を選ぶために選挙はあるのだ。
そのことがあまりにも「きれいごと」になってしまっていたのだ。
そして教皇になることとなったベニテス。そこから明かされる衝撃の事実。なぜ彼があそこまでローレンスに投票し続けたのか、それにはきちんとした理由があったのだ。
システィーナ礼拝堂の閉ざされた中で行われる教皇選挙はまさに政治の縮図として描かれているだろう。
現代の政治に必要なのはベリーニではなく、トランブレでもなく、テデスコでもなく、ベニテスのような存在なのではないか。そんなメッセージを感じるような映画だった。
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