メモ


被収容者に外部との電話サービスを提供していたアメリカの拘置所が、連邦通信委員会から「料金を引き下げるように」と通達されたことに激怒し、あくまで電話はサービスであるとして以後終了することにしたと発表しました。

INMATE PHONE SYSTEM WILL NOT BE IN USE AFTER MARCH 30TH (02/25/2025) – Press Releases – Baxter County Sheriff’s Office
https://www.baxtercountysheriff.com/press_view.php?id=2407

Arkansas Jail Cutting Inmate Phone Service Entirely March 30
https://broadbandbreakfast.com/arkansas-jail-cutting-inmate-phone-service-entirely-march-30/

Furious at the FCC, Arkansas jail cancels inmate phone calls rather than lower rates – Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2025/03/rather-than-lower-rates-arkansas-jail-simply-cancels-all-inmate-phone-calls/

アメリカの連邦通信委員会によると、刑事施設は被収容者に断りなく電話会社と契約するため、仮に電話会社が法外な料金を請求しても被収容者は従うしかなく、電話会社は刑事施設内で独占力を持っていると言えるとのこと。中には15分の通話で12ドル(約1750円)以上も請求するところがあり、被収容者とその家族に経済的な負担を強いているそうです。


これに伴い、連邦通信委員会は刑事施設に対して被収容者の電話料金を引き下げるよう求める規則を発行し、2025年4月1日から施行しました。新しい規則では、15分の通話でも最大で1ドル強(約150円)で済むとのことです。

この規則が発行されることを知ったアーカンソー州バクスター郡拘置所は、電話サービスそのものを終了することにしました。

バクスター郡拘置所のジョン・モントゴメリー保安官は、「新しい規則により、バクスター郡拘置所の電話サービスの維持および管理が不可能になったと判断しました。電話サービスは法律で提供が義務付けられているものではありません。連邦政府がこの措置を取ったことは遺憾であり、家族に負担がかかることは承知しています。連邦通信委員会が規制を撤回した場合、電話サービスの再導入の実現可能性を検討します」と述べました。


テクノロジー系メディアのArs Technicaによると、刑務所などの電話料金が高いのは電話サービスに特別なセキュリティが要求されるためでもありますが、電話料金を刑事施設にキックバックするという慣行が常態化しているのが大きいとのこと。いわく、刑事施設でのサービス独占提供権と引き換えに、電話会社が刑事施設に「手数料」を支払っているとのことです。

連邦通信委員会もこれを事実として認め、「新しい規則で手数料を禁止することで、賄賂や、サービス提供とは無関係な費用支払いの慣行がなくなり、利用者が経済的負担を強いられることがなくなる」と主張しています。


この規則を巡っては、インディアナ州を中心とする14州の連合が再審査を申し立てており、「連邦通信委員会の決定は裁量権の乱用である」と主張し、決定を裏付ける十分な証拠がないとして取り消しを求めています。

なお、バクスター郡拘置所は電話サービスの代わりとして、対面の面会時間を追加したり、ラジオの放送頻度を増やしたりすることを約束しました。

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