

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第28回(2025年5月7日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)
今日は数分の出演だったが
嵩が“重要な”発見
第27回で「ワッサワッサリンノモンチキリンノホイ」「シャツプラポウシャツプラポーワサキュー」「ウツパイパイ」と意味のわからない歌が出てきて、それが「自由」だと言われていたから、今朝、主題歌『賜物』からはじまったとき、こっちはとてもわかりやすいと思った。
早口だけど歌のメッセージがちゃんと読める。
わからなくて自由なのもいいし、わかるのもいい。どっちもいい。
第28回は、高知の朝田家の話になり、東京の嵩(北村匠海)の出番はタイトルバック明けの数分。
でも、そこで重要なことが起きる。銀座の美村屋に、健太郎(高橋文哉)を連れていった折に、飾ってある写真のなかについにヤムさんこと屋村(阿部サダヲ)の姿を見つけるのだ。
屋村はなぜ、銀座から放浪の果てに高知に居着いているのか。どうやら戦争経験もあるらしいことが第28回でほのめかされる。
出征が決まった豪(細田佳央太)が旅立つ前の残り少ない1日。同室で長らく暮していた屋村は、豪を釣りに誘う。
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