土曜日, 5月 24, 2025
ホームVideoニュース「意地見せろ!行け!跳べ!休むな!」 航空救難団「PJ」目指す壮絶過酷訓練に密着【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年5月20日)

「意地見せろ!行け!跳べ!休むな!」 航空救難団「PJ」目指す壮絶過酷訓練に密着【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年5月20日)

 人命救助のエキスパートで救難活動の最後の砦(とりで)といわれる航空自衛隊の航空救難団は、通称「PJ」と呼ばれる。救難員を育成する過酷な訓練の現場を取材した。

■「海も山も」人命救助のエキスパート集団

 2019年に千曲川などが氾濫した台風19号による豪雨災害では、孤立した240人を救出。今年2月に起きた岩手県大船渡市の山林火災では、合計305回の放水を実施した。

 日本各地で起こる大規模災害の最前線に立っているのが航空自衛隊「航空救難団」。警察や消防、自衛隊の他の部隊が救助困難だと判断した過酷な現場で救難活動を行う「人命救助の最後の砦」。これまでに救出した人数は7000人以上に上る。

 航空救難団の救難員は、通称「PJ(パラレスキュージャンパー)」と呼ばれ、日々人命救助の訓練に励んでいる。

 航空自衛隊の中でも、選び抜かれた精鋭だけが所属できる人命救助のエキスパート集団だ。

航空救難団 百里救難隊 救難員
凩佑治2等空曹
「我々については、海も山もどちらも救助する能力を有していますので、それ故にどちらも対応することが可能です。また、他の機関で対応ができないという場合についても、私たちが対応することがあります」

 そんな国内最強のレスキュー部隊・PJの卵を育てる現場へ。

 年に1回行われる、選抜試験を潜り抜けた8人の「救難員学生要員」。1年にわたる厳しい訓練を乗り越えた者だけがPJになることができるが、去年卒業したのはわずか5人。非常に狭き門となっている。

救難員学生要員
「人命救助の一番最後のというところがありますので。他の人たちが行けないところに自分たちが行けるという、とても素晴らしいスキルかなと思って。救難員になりたいと思って入ってきた」

 1年間、寮で共同生活を送る学生たち。

「(Q.朝早いですね?)はい。何か体が覚え始めたと思います」
「間稽古が5時15分からあるので」

 毎朝1時間ほど、間稽古と呼ばれる自主トレーニングを行い、学生同士で自ら指摘し合い、チームワークを育んでいる。

■過酷訓練「落とすなよ!」 極限立ち泳ぎも

 この日行われていたのはプール訓練。水面から顔を上げず、シュノーケルで息継ぎをし、500メートルを泳ぎきる訓練や、水深4メートルまで潜水し、呼吸を止める訓練が行われた。

「(Q.何が一番大変ですか?)息を止める系が自分苦手なので。自分は水中の方が苦手です」

 水中訓練が苦手だという学生を待ち受けていたのが、溺れた人を救助することを想定した訓練。要救助者の多くはパニックに陥り、近くのものにしがみつこうと暴れるため、救助する側も溺れてしまう危険がある。

 必死で潜って助けようとするも、パニックになり溺れた人役の教官に手も足も出ない。

教官
「いつになったら救助してくれるんですか?」

 溺れた人役の教官の後ろから、ようやく手を回し固定。プールサイドまで運んで、救助完了となるはずが…。

教官
「おらおら!落とすなよ!お前!」

 プールサイドに上げる瞬間、バランスが崩れ、要救助者役の教官を落としてしまう場面もあった。

航空救難団 救難教育隊
松本剛1等空曹
「自分の限界を知らないと非常に無理な行動をとる可能性があります。自分がパニックになってしまって、自身の身も危ないですけども、目の前のサバイバーの命も危険にさらすことになります。この(訓練)過程にいる間に、その限界をより高いところに持っていきたいと思います」

 疲労困憊(こんぱい)の学生たちを最後に待ち受けていたのは、2キロの重りを手に持っての20分間の立ち泳ぎ。学生同士、掛け声をあげて鼓舞し合うが、15分も経過すると、水面から顔を出すのがやっとの状態に。こうした厳しいプール訓練が、午前・午後、一日2回行われることもある。

 そんな厳しい訓練に、1人の女性の姿があった。今年、選抜試験を潜り抜け、救難員学生要員に初めて女性自衛官が選ばれた。

「救難員になって人命救助の最前線に携わるというのが自分の夢なので、その気持ちが強いからこそ、今、どんなきつい訓練でも頑張れる」

 学生たちにとって、パワーの源となっているのが食事。過酷な訓練に耐えうるだけの体力を保つため、ごはんは山盛りだ。

「個人的に食べるのが、人より食べるので」
「自分も負けないようには、食べるんですけど。ちょっと勝てない」

■休憩なし、2時間筋トレ「つらそうな顔するな」

 陸上でも厳しい訓練が行われた。教官のOKが出るまで、無制限の腕立て伏せや跳躍など、休憩なしで2時間の筋力トレーニング。

教官
「何しにここに来たんだよ?」
学生
「救難員になるために来ました!」
教官
「意地見せろ!行け!跳べ!休むな!」
「つらそうな顔するなよ。要救助者前につらそうな顔するのか?要救助者、不安になっちゃうよ」

 航空自衛隊の中で、最も厳しいといわれる救難員学生の訓練。訓練はこれで終わらず、わずか5分ほどの休憩を挟んで、11キロのランニング。途中の坂道では、仲間を背負いながら往復ダッシュする場面もあった。

松本1等空曹
「我々が実際に行う現場というのは、時には非常に理不尽な環境。自然相手ですので。その理不尽な環境で、目の前の遭難者を安全に救助活動を行い、しっかり連れて帰る。時には訓練で非常にプレッシャーを与えます」

 厳しい自然環境での救助活動で生きて帰るため、救難員学生に課せられた訓練は、想像を絶する過酷さだ。

「自分の限界というのもあるので、けつたたかれてやるしかないです。自分にむち打って、やるしかないです」
「自分自身の成長のため、あと仲間がいるので。それに向かって頑張っています」

 狭き門をくぐり抜けたPJたちは、全国10カ所に配置され、救助現場に駆けつけている。

 PJ歴18年の岡部史彦1等空曹は東日本大震災の現場にも出動。これまでに多くの現場で人の命を救ってきた。

「この仕事を続けていて良かったなと感じました。私たちの存在は本当はなければいいと分かっていますが、私たちがこれまで訓練してきた能力を人の役に立たせることができた。頑張ってきたかいがあったなと感じます」
「(Q.PJという仕事に対して、どう感じていますか?)天職だと思っています」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年5月20日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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34 コメント

  1. 昔教わった長州藩の泳法に甲冑つけたり、荷物持ったまま淡水で泳ぐのあったけど横泳ぎってめちゃくちゃ実戦的だよ。
    救助向かう時も、要救助者から距離取る時も。クロールじゃなく横泳ぎした方がいいよ。クロールだと夜間方向が分からなくなるから

  2. 普通に暮らす民間人はこうした方々に会う機会もなく一生を終える事がほとんどであるので、映像としてほんの少しでも訓練や人柄が見れて良かった。
    国の宝であり財産。
    頭を下げて敬意を払います。

  3. 日本人の為になるとても良い報道と思います!!
    全てのメディアがこーゆー報道をもっと増やしてほしいです。
    外国に気を使った偏向報道とかは日本の損失でしかない。
    災害は仕方ないけど、メディアが日頃からちゃんとしないとインフラや経済などにも深刻な欠陥が生じることを自覚してほしい!
    日本の棄損はすでに取り返しがつかないようにも思う。
    メディア関係者の人たち、頼みますよ!

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