マイクロソフトを築き上げるのに無我夢中だった30代から40代のころ、ビル・ゲイツは極力睡眠時間を削って働こうとしていました
今ではその考えを180度変え、睡眠トラッカーを使って睡眠スコアをチェックし、十分な睡眠を取るようにしているそうです。

なにがビル・ゲイツを変えたのか?

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億万長者で慈善家でもある彼は、自身の新しいポッドキャストUnconfuse Me With Bill Gates(ビル・ゲイツの「わかるように説明して」)の第1回で、俳優のセス・ローゲンとローレン・ミラー・ローゲンとともに、アルツハイマーの研究について、そしてローゲンらが取り組んでいるHilarity for Charity(チャリティーを楽しく)について語り合い、ゲイツ自身の心境の変化について、過去を振り返り次のようなエピソードを語りました。

かつて、ゲイツが友人たちと会話していた時のこと。「自分は6時間しか寝てないよ」と言ったゲイツに対し、友人は「俺は5時間しか寝てない」「全然寝ない日だってある」と言いました。

それを聞いた当時のゲイツは「コイツら、すごい。自分はまだまだだな。眠るなんて怠け者のすること、ムダなものだ」と思ったそうです。

今でも競争意識旺盛な彼ですが、しかし真逆の方向で競争をしているよう。

これまでとはまったく逆で、毎日の睡眠スコアを見て競い合うようになったんだ

「誰か、スコアが90まで行ったんだって? どうやって?」みたいにね。

さて、この心境の変化はどこから生まれたのでしょうか。

2019年にマシュー・ウォーカーの睡眠こそ最強の解決策である(原題 Why We Sleep)を読んだことがゲイツの考え方を変えたのだそうです。

「徹夜続きでしっかり8時間睡眠を取っていないことが、マイナスに作用していたことに気づいた」と当時、彼は記しています。

睡眠を軽視すると、創造性、問題解決や意思決定する力、学習能力、記憶、心臓や脳の健康、メンタルヘルス、心の安定、免疫システム、さらには寿命まで損なわれる、とカリフォルニア大学バークレー校の人間睡眠科学センター(Center for Human Sleep Science) のウォーカー所長が説明している。

これでもまだ納得できない読者の方のために、睡眠をなぜもっと真剣に捉えるべきなのか、その理由をご紹介しましょう。

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ビル・ゲイツが気づいた「睡眠の価値」

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