


200年以上も考古学者を困惑させてきた「ローマの中空十二面体」
2025年7月17日、科学系メディアLive Scienceが、ローマの中空十二面体についての考察を発表しました。この謎の12面体は、西暦2~4世紀に作られたと考えられる青銅や石でできた人工物で、これまでに120点以上が発見されています。
画像: Wikimedia Commons
謎に包まれたその形状
ローマの中空十二面体は、12の五角形が中空の面を形成し、20の角に小さな球が乗っています。各五角形の面には異なる直径の穴があり、サイズは高さ4~10cm、重さ30~580gとさまざまです。
この中空十二面体は、オーストリア、フランス、ドイツなどで発見されていますが、特筆すべきはイタリアでは見つかっていないという点です。考古学者のマイケル・グッゲンバーガー氏は、ガリア(現フランス、ベルギーなど)で独自に発展した「ガロ・ローマ文化」の遺物ではないかと考えています。
画像: Hadley Paul Garland
用途に関する多様な仮説
考古学者たちは、ローマの中空十二面体の用途について多くの仮説を提唱しています。その中には「武器」「装飾品」「燭台」「測定器」などさまざまな可能性が考えられていますが、決定的な証拠は見つかっていません。
画像: Wikimedia Commons
グッゲンバーガー氏によれば、提唱された50以上の仮説の多くは否定されており、最も信じているのは古代ギリシャの哲学者プラトンに関連する説です。プラトンは正十二面体が「宇宙のためにある」と考えており、この概念はローマ帝国の影響下にあったケルト民族にも影響を与えた可能性があります。
さらに1966年に発見された中空十二面体が、骨で作られた物体の隣に置かれていたことから、何らかの儀式や象徴的な意味を持っていた可能性が示唆されています。
このように、ローマの中空十二面体は未解明の謎に包まれており、考古学者たちはその正体を追求し続けています。興味のある方は、ぜひLive Scienceの詳細記事をチェックしてみてください。
🧠 編集部より:
補足説明: ローマの中空十二面体
ローマの中空十二面体は、古代ローマの考古学で未だ多くの謎を抱えるユニークな artefact です。青銅や石で作られたこの十二面体は、約2世紀から4世紀の間に製作されたもので、特徴的な形状や細工は、当時の技術や文化を知る貴重な手がかりとされています。このオブジェクトは、ヨーロッパのさまざまな地域で発見されており、特に西ヨーロッパのガリア地方(今のフランス、ベルギー、スイス等)で多く見つかっていますが、イタリアでは発見されていません。
いくつかの点で異なる仮説が提唱されてきましたが、ローマの中空十二面体の正確な用途は分かっていません。考古学者のマイケル・グッゲンバーガー氏が提唱する仮説では、古代ギリシャの哲学者プラトンと彼の提唱した「五種類の正多面体」に関連付けられています。この理論は、正十二面体が宇宙の象徴と考えられていたかもしれないことを示唆しています。
豆知識
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発見場所: ローマの中空十二面体は、人々の墓や道端の廃棄物の中で見つかることが多いです。これにより、宗教的な儀式や日常生活での用途があった可能性があります。
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歴史的背景: ギリシャのプラトンに影響された文明が、ローマ帝国の支配下で独自の文化として花開いていたことが、ローマの中空十二面体の発展に寄与したと考えられています。これがケルト民族の文化とも絡んでいる可能性があります。
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今後の調査: 現在もこのオブジェクトに関する研究が続けられており、発見された新たな証拠が今後の解明につながる可能性があります。
参考リンク
このように、ローマの中空十二面体は単なる考古学的アーティファクトではなく、古代の文化や思想を反映させた深い意味を持つ可能性を秘めています。今後の研究にも期待が寄せられています。
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キーワード: ローマの中空十二面体
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