「ビバリウム」「神は銃弾」で知られるXYZ FILMSが手がけたスリラー映画「ハイポ」が7月4日に公開されるとわかった。
同作の主人公は、幼い頃に双極性障害を患う母親に無理心中を図られた過去を持つウィル。成人した彼は両親のもとを離れ、ゲイである自身を受け入れてくれる恋人との幸せな生活を送っていたが、ある日、長い間接触を絶っていた母親から「恋人を信用するな」というメッセージが届く。その出来事を機にウィルの精神は次第に不安定になり、「自分は病気なのでは?」という妄想にとらわれていくのだった。
「ストレイ・ドッグ」のザック・ビーヤがウィルを演じ、デヴォン・グレイ、マデリーン・ジーマも出演。クィアであるアディソン・ハイマンが監督を務め、彼自身が経験した“病気不安症”から着想を得て制作した。あわせて解禁されたポスタービジュアルには、大きなハートをあしらったデザインに「僕はママみたいに 病気じゃない」というコピーが添えられている。
なお本作を鑑賞したジャーナリストのキタマルモジは、「性的少数者であっても、性的少数者であることとは無関係にさまざまな問題を抱える、という当然のことを、改めて描くという──つまりこれは交差性の問題です」とコメントを寄せた。
「ハイポ」は東京・新宿シネマカリテで公開。配給はCinemagoが担う。
※「ハイポ」はR15+指定作品
北丸雄二(ジャーナリスト)コメント
「ハイポ」はさらなる次の物語の段階を示しているのかもしれません。ウィルはゲイで、ルークという優しく献身的な恋人がいます。しかし、彼のゲイネスはこの映画の主要テーマである「精神崩壊」には関係しません。性的少数者であっても、性的少数者であることとは無関係にさまざまな問題を抱える、という当然のことを、改めて描くという──つまりこれは交差性の問題です。
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編集部の感想:
「ハイポ」の公開は、現代のメンタルヘルス問題に鋭く迫る作品となりそうで興味深いです。特に、主人公が経験する“病気不安症”の描写がどのように展開されるのか、期待が高まります。加えて、性的少数者の視点からの交差性の問題も重要なテーマとして描かれる点が印象的です。
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