パナソニック、ナノイー技術を用いたダニアレルゲン抑制の実証
2025年6月26日、パナソニックは同社のナノイー（帯電微粒子水）技術が、寝具表面から1cmの深さに存在するダニアレルゲンを99%以上抑制できることを発表しました。さらに、アレルゲンによって引き起こされるかゆみや炎症に関する免疫反応も抑制されることが細胞レベルで確認されました（図1）。
ナノイー(帯電微粒子水)技術が、寝具表面から1cmの深さに存在するダニアレルゲンを、抑制できることを実証
ダニアレルギーの現状
厚生労働省の報告によれば、日本人の約半数がアレルギー疾患を抱えており、その中でダニアレルギーは二番目に多いアレルギーです。ダニはふとんや枕に潜み、その数は2m²の布団内で14万匹以上とされています。寝具から舞い上がるダニアレルゲンが、アレルギー症状の原因となり、睡眠を妨げると睡眠評価研究機構の白川氏は指摘しています。
ケア方法の見直し
多くの人が行っている布団の天日干しは、実はアレルゲンには効果がほとんどありません。ダニは紫外線の届かない布団の奥に逃げ込んでしまうためです。一方、掃除機や洗濯には効果がありますが、手間がかかるという難点があります（図2）。
天日干しは、アレルゲンの抑制に関しては効果がほとんどなく、手間もかかる
ナノイー照射の効果
そのため、手間が少なくダニアレルゲンを抑制できるナノイー技術が注目されています。パナソニックと麻布大学の共同研究により、6畳相当の空間でナノイーによるダニアレルゲン抑制の効果が検証されました。具体的には、枕モデルにダニアレルゲンを、ナノイー発生装置を搭載した送風機で処理しました（図3）。
検証は、6畳相当の24m³の空間で実施
実験結果では、ダニアレルゲンが99%以上抑制され、炎症性物質やかゆみ成分の放出も抑制されていることが確認されました。プレス向けのデモでは、ナノイーが枕内部にまで到達することを青い酸化反応試薬を用いて示しています。
模擬的な試薬を使って、枕の繊維の中にまでナノイーの効果が達するのかをデモンストレーションしている
安全性と今後の展望
なお、ダニアレルゲンは持ち出しが危険なため、今回は酸化反応試薬によって検証を行いました。また、この研究は試験空間での結果であり、実際の製品使用条件下での効果は別途検証が必要とされています。
今後、パナソニックのナノイー技術が、睡眠の質を向上させる製品への応用に期待が寄せられます。
🧠 編集部より：
ナノイー技術とダニアレルゲン抑制
背景と概要
パナソニックが開発したナノイー技術が、寝具表面から1cmの深さに存在するダニアレルゲンの抑制に効果があることが実証されました。調査によると、日本人の約50%がアレルギー疾患を抱えており、特にダニアレルギーはその中で最も一般的なものの一つです。
ダニの実態
布団や枕などの寝具には、1平方メートルあたり14万匹以上のダニが存在するとされており、特に湿度の高い梅雨から夏にかけて増殖が見られます。寝返りなどによってダニのアレルゲンが空気中に舞い上がるため、アレルギー症状が引き起こされ、睡眠の質も低下します。
布団のケア方法
一般的に行われている天日干しは、アレルゲンを効果的に除去できません。理由は、ダニが紫外線から逃れるためです。掃除機や洗濯には効果がありますが、手間がかかるため、手軽な対策としてナノイーの導入が注目されています。
研究の内容と成果
実施した実験
パナソニックと麻布大学が共同で行った実験では、6畳相当（約24m³）の空間で、ナノイー発生装置を内蔵した送風機を使用して検証が行われました。ダニアレルゲンは99%以上抑制され、炎症性物質の放出抑制も確認されました。
デモンストレーション
発表会では、酸化反応試薬を使ったデモンストレーションが行われ、ナノイーがどのようにダニアレルゲンを抑制しているかが視覚的に示されました。
豆知識
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ダニアレルゲンとは？
ダニの糞や死骸から放出される微細な粒子で、アレルギー反応を引き起こす原因となります。 - ナノイーの効果
ナノイーは、微細水粒子を使用して空気中の菌やウイルスを抑制する技術です。特に、酸化作用によってダニアレルゲンを無害化します。
参考リンク
このように、ナノイー技術はダニアレルゲン対策として期待されていますが、実際の製品での効果は今後の研究によって確認されていくことでしょう。
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