2025年7月8日、イラクとドイツの研究チームが「バビロンの賛歌」と呼ばれる古代の詩を再発見したと報告しました。この賛歌は、古代メソポタミアの都市バビロンに於ける神々や自然の美しさを称えたもので、紀元前1000年頃に作られたと推測されています。
### バビロンの歴史的背景
バビロンは紀元前2300年頃に設立され、一時は世界最大の都市とも称されました。特にその歴史的な建造物や文化的な豊かさで知られ、人口が20万人を超えた最初の都市としても名を馳せています。
### 賛歌の発見
バビロンの賛歌は、バビロン近くに位置する古代都市シッパルの遺跡から発掘された多くの楔形文字の粘土板に刻まれていました。研究にあたったミュンヘン大学のエンリケ・ヒメネス教授は、AI技術を駆使してこれらの断片をデジタル化し、欠落部分の再構築に成功しました。この賛歌には、バビロンで崇拝されていた神マルドゥクやユーフラテス川についての言及があり、特に自然現象の描写が新鮮さを感じさせると彼は述べています。
### 学校教育と賛歌の重要性
興味深いことに、この賛歌は当時の学校で子どもたちによって書き写されていたことがわかりました。これにより、複数の写本が現存し、研究者たちが協力して内容を分析することが可能となったのです。ヒメネス教授は、「この賛歌が長い間知られていなかったのは珍しい」と語っています。
### バビロンの賛歌の一部
以下は、バビロンの賛歌に含まれる一節です:
>『ユーフラテス川は彼女の川であり、賢明な主ヌディムッドによって作られ、草原を潤し、野原は草や花であふれ…』
この言葉からも、当時の人々が自然と共生し、豊かな生活を送っていたことが伺えます。
最終的に、この再発見は古代メソポタミアの文化や価値観を理解する上で大きな意味を持つものとされ、今後の研究が期待されます。
🧠 編集部より:
この記事のテーマは、古代バビロンに関する重要な文献「バビロンの賛歌」の再発見についてです。考古学者たちは、長い間失われていたこの賛歌を、イラクのシッパル遺跡で発見した粘土板から読み解きました。この賛歌は紀元前1000年頃に作られ、バビロンの都市の栄光や、ユーフラテス川の自然の恵みを称えています。
補足説明
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バビロンの歴史的意義:
バビロンはその時代において最大の都市のひとつで、さまざまな文化や技術が栄えました。特にバビロンの空中庭園は世界七不思議の一つとされています。 -
楔形文字とは:
楔形文字は古代メソポタミアで用いられた文字で、主に粘土板に刻まれました。これらの文字は、当時の法律、商業、文学などの情報を伝える重要な手段でした。 -
学校教育の役割:
バビロンの賛歌が学校で書き写されていたことは、古代における教育の重要性を示しています。このような歌が学ばれていたことで、文化や価値観が次の世代に受け継がれていたのです。
豆知識
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エンキ(ヌディムッド):
バビロンの神話に登場する神で、特に水や知識の神として知られています。彼の名は、賛歌でも重要な役割を果たしています。 -
ヒメネス教授のプロジェクト:
「Electronic Babylonian Library Platform」は、古い文献のデジタル化とAIによる解析を行うことで、失われた情報の再発見を助ける革新的なプロジェクトです。この取り組みによって、私たちの古代文明に対する理解が深まると期待されています。
関連リンク
このように「バビロンの賛歌」は、古代の人々がどのように自らの文化や信仰を表現していたかを知る上で非常に重要な資料です。
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キーワード:バビロンの賛歌
※以下、出典元
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