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映画レビュー：『エドワードの旅』
2024年のカンヌ映画祭で監督賞を受賞した映画『エドワードの旅』。予告編を見ていまいちな感触を持った筆者は、トークショウ付きの上映を機に鑑賞を決意しました。
物語は1918年、イギリスからビルマのラングーンに赴任したエドワードが、婚約者モリーを待ちながら結婚をためらい、旅に出るところから始まります。エドワードはシンガポール、タイ、日本、中国を巡り、モリーも彼の後を追います。
映画のトークショウで監督は、サマーセット・モームの小説『パーラーの紳士』から着想を得たと語りましたが、作品の設定や構造には類似点があるものの、映画自体は不満が残るものでした。特に、エドワードの時間と空間の旅は現代の大阪で撮影されており、1920年代の日本が再現できていない点が目立ちます。
脚本は詩的な表現がありましたが、シーン間のつながりが不足し、中盤以降の展開が散漫に感じました。アジアを舞台にした母国語のナレーションやモノクロ映像は斬新に見えるものの、受賞の理由には疑問が残ります。
トークショウでの監督の態度からは、作品への情熱が感じられず、期待外れな結果に終わりました。この映画を通じて期待された独自性は見出せず、少し残念な体験となりました。
🧠 編集部の見解：
この映画についての感想を読んで、筆者の期待と失望が伝わってきました。カンヌで監督賞を受賞した作品ということで、観る側も「何が特別なのか？」という気持ちを持ってしまいますよね。特に監督がトークショウで見せた態度も気になるところ。物語がどんなに素晴らしくても、創り手の情熱が感じられないと作品自体の印象はだいぶ変わりますよね。
背景として、サマーセット・モームの「パーラーの紳士」は、多くの文学ファンに愛されてきた作品。モームの作品が映画化されること自体は珍しくないですが、なるほどその影響がどう見えるのか、ちょっと考え込んでしまいます。映画って、時代や文化を反映するものでもあるので、予算や技術が影響している点も興味深いです。予算の制約が現代の大阪での撮影に繋がったとは、制作側も色々な苦労を抱えていたのかもしれません。
また、アジア各国の視点から話が展開されるのは新しい試みですが、そこに意味が伴わないと単なる観光案内みたいに見えてしまう。映像美がありつつも、内容が薄いとなると、観る側としては心の中に空しさが残りますよね。しかも、現代の大阪でのロケがバレバレだと、せっかくの旅する空間が台無しになってしまうのも分かる気がします。
映像表現やアート性が強調される現代の映画界では、作品の完成度が総じて求められますし、観客の期待も高まりますよね。この作品がカンヌで評価された理由が見出せなかったというのも、非常に共感できます。
映画は、大きな影響力を持つ文化の一部。観客との対話が重要ですが、今後の映画制作において、もう少し心のこもった作品が増えてくれることを願います。
- キーワード: 監督賞
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