
データブローカーがアメリカ人の個人情報を販売することを防ぐため、アメリカ政府は2024年12月から計画を進めていました。しかし、この計画が撤回されたことが明らかになっています。
Federal Register :: Public Inspection: Protecting Americans from Harmful Data Broker Practices (Regulation V); Withdrawal
https://www.federalregister.gov/public-inspection/2025-08644/protecting-americans-from-harmful-data-broker-practices-regulation-v-withdrawal
White House scraps plan to block data brokers from selling Americans’ sensitive data | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/05/14/white-house-scraps-plan-to-block-data-brokers-from-selling-americans-sensitive-data/
2024年12月、信用調査会社や賃貸審査会社といった消費者信用情報機関が収集する「アメリカ人の個人情報を保護する連邦法」である公正信用報告法(FCRA)の抜け穴をふさぐ計画を消費者金融保護局(CFPB)が発表しました。新しい計画は、データブローカーに対して金融データを含む機密性の高い個人情報を販売または共有する前に個人の同意を得なければならないと定めるものです。
データブローカーによる個人情報・財務情報の販売制限を消費者金融保護局が提案 – GIGAZINE
しかし、2025年5月15日に公開された連邦官報に掲載された情報により、CFPBの計画は5月13日の早朝に撤回されたことがわかりました。ホワイトハウスの行政管理予算局長でありCFPBの代理局長も兼任しているラッセル・ヴォート氏は、今回の決定について「CFPBの現在のFCRAの解釈と合致していない」と説明しています。
データブローカーは膨大な量のアメリカ人の個人情報や金融情報を収集・販売することで利益を上げており、その市場規模は数千億円規模です。データブローカーが販売する個人情報の多くは、個人の明示的な許可なしに企業・法執行機関・諜報機関に販売されています。
2024年だけでも、連邦取引委員会(FTC)は人々を違法に追跡しているという疑惑を受け、複数のデータブローカーが個人情報を本人の許可なく収集・共有することを禁止しています。
プライバシー擁護派は長らく、政府に対してFCRAを利用してデータブローカーを抑制するよう求めてきました。
なお、非銀行系フィンテック企業を代表する業界ロビー団体である金融技術協会(FTA)は、ヴォート氏に対し、「金融機関による不正行為の検知と防止の取り組みに悪影響を及ぼす」と主張し、CFPBのデータブローカー規制の撤回を求めていました。
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🧠 編集部の感想:
データブローカーによる個人情報の販売を防ぐ計画が撤回されたことは、プライバシー保護の後退を示唆しています。特に、個人の同意なしに情報が販売される現状が続くことは懸念されます。この政策の撤回は、消費者の権利を軽視する姿勢として批判されるべきです。
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