🧠 あらすじと概要:
あらすじ
映画「スプリット」では、父を亡くした女子高生ケイシーが、叔父に引き取られた後、クラスメイトのクレアとマルシアと共に見知らぬ男に誘拐される。この誘拐犯、ケビンは解離性同一性障害(多重人格)の持ち主で、彼の中には23の人格が存在している。物語が進むにつれて、ケイシーはケビンの内に潜む危険な24番目の人格が目覚めつつあることを認識する。エピローグでは、2000年の映画「アンブレイカブル」との関連性が明らかになる。
記事の要約
この映画は、ジェームズ・マカヴォイの卓越した演技に焦点を当てており、彼が演じ分ける多様な人格が物語の魅力を引き立てている。ケビンの誘拐による物語の進行は、彼の人格とそれを分析する精神科医との対立が中心となっている。特にケイシーがどのようにして脱出するかが観客の興味を引くが、結末では彼女が受けた過去の虐待が救いに繋がる。また、シャマラン監督のユーモアや細かい工夫も随所に見られ、ケイシーが最後に取る行動が彼女の決意を示す印象的なラストシーンとなっている。全体として、この作品は人格の演じ分けとキャラクターの心理描写が深く掘り下げられたサスペンス映画である。
とにかくもうジェームズ・マカヴォイによる人格の演じ分けが凄すぎる。
それを楽しむ映画です。
1作品目の「アンブレイカブル」は観ていなくても特に問題なく楽しめそうな独立した話。ただ、エピローグに前作の主人公が一瞬出演して匂わせをするので先に「アンブレイカブル」を
観れるなら観てからの方が良いかなと。
【以下内容に触れています】
誘拐犯ケビン。ケビンに誘拐されたケイシーたち。ケビンの解離性同一性障害を研究する精神科医カレン・フレッチャー医師。おおまかにこの3組で話は展開していく。正確にはケビンは彼の主人格の名前なのだが他の人格に主導権を奪われ登場できない。主に、ファッション好きで社交的なバリー、誘拐を主導したデニス、女性人格のパトリシア、9歳のヘドウィグ、が人格として登場する。そしてビーストという獣のような人格が
目覚める。
この人格たちを演じ分けるのが本当に凄まじい。後半はもう名乗らなくても誰かがわかるようになっていく。会話の途中で人格が入れ替わっても理解できる。ケビンの中のまともな人格たちが誘拐を知らせるためフレッチャー医師にメールするのだが、実際に会う時には誘拐を主導したデニスという人格に取り繕われてしまう。しかし、あなたはいつも会うバリーではない、とフレッチャー医師はデニスのことを見破り、うまく家に行くことにも成功する。希望の光…!あなたがケイシーを!と思っていたら最後の最後に殺されてしまい切ない。仕事とはいえ、きちんとケビンに向き合っていた人だったのにな。 彼女が自身の助手ジャイ(M・ナイト・シャマラン監督)に話す台詞が面白かった。「フーターズは脂質への欲求と巨大な胸への郷愁を利用してる
ヘンリー5世と発想が同じね」
自身がチラッと出演するところや、こういった台詞など細やかな遊び心があるシャラマン監督。そしてケイシーはどうやって逃げるのか?が我々の一番の興味だと思うのだけど、そこを満足させてくれる答えだったと思った。彼女は叔父から虐待を受けており、その傷を見たビーストが彼女を純粋な者と見なして何もせず、去っていくことで彼女は助かる。ラストシーン、警察に保護されたケイシーが叔父(ケイシーを虐待している)が迎えにきたと警官に言われた際に決意した顔でジッとその警官を見つめ返す。台詞こそないが、きっと叔父の罪を告げるのだなと我々は推測することができる。ケビンとの出会いは彼女にとってプラスだったと暗示する終わり方。良い余韻。
【スプリット/
M・ナイト・シャマラン】
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