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「Apple Arcade」は,Appleが月額900円(税込)/年額6000円(税込)でiPhone / iPad / Mac / Apple TV / Apple Vision向けに提供している,ゲームのサブスクリプションサービスだ。
この連載では,広告やゲーム内課金なしでプレイできるタイトルが現在200種類以上配信されているこのサービスの中から,4Gamerがチョイスしたタイトルを紹介していく。
第37回では,デジタルピンボールの勇,Zen Studiosが贈る22機種ものピンボールを収録した「Zen Pinball Party」を紹介しよう。
「Zen Pinball Party」
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オススメポイント
1.実在した機種や人気IPタイトルも含め,22台のピンボールを収録
2.物理演算によるリアルなボールの挙動をシミュレート
3.デジタルピンボールならではのありえない演出も見どころ
「Zen Pinball Party」公式サイト
「Zen Pinball Party」ダウンロードページ
「Pinball FX」「Zen Pinball」「スター・ウォーズ ピンボール」といったデジタルピンボール(デジピン)を多数輩出しているハンガリーのZen Studiosが,Apple Arcade独占タイトルとして2021年にリリースしたのがこの「Zen Pinball Party」だ。
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アーケードゲームのピンボールをビデオゲームへと昇華し,オリジナルのゲームデザインを生かしつつ,ビデオゲームならではの演出を加えたデジピンのオムニバス作品である本作。同社オリジナルのものから,Williams社の実機の移植版,そして「スター・ウォーズ」やアニメーション作品などのIPを使ったピンボールを合計22タイトルも収録したお得な1本だ。
ビデオゲームで楽しむデジピンの歴史は意外にも古く,1980年代のオールドPCやファミコン,あるいはアーケードにも登場していた。転がるボールを左右2つのフリッパーで打ち返してターゲットを狙う分かりやすいルールに,機械式のピンボールでは不可能なギミックや演出などを導入し,現在もゲームジャンルの一つとして定着している。
Zen Studiosのピンボールは,実在した機種も含むリアルスタイルのゲームデザインに,現代のデジピンならではの派手なエフェクトや演出を融合したものだ。
ボールは物理演算による現実的な挙動を見せ,スコア表示は昔ながらのドットマトリクスディスプレイというこだわりの作りで,すべてが実在するピンボールのような感覚で楽しめる。
![]() ボールにエフェクトがかかったりもするが,基本的には物理演算で動いている
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![]() ゲーム中はあまり見ていられないが,ディスプレイにはスコアやメッセージだけでなく,フィーチャーにまつわる映像も映し出される
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収録された22種は4つのカテゴリに分けられていて,そのタイトルは以下の通り。2021年のリリース当初は全12種だったそうで,アップデートにより新たな台が続々追加されてきた。
■アニメーションヒーローズ
・Garfield Pinball
・Peanuts’ Snoopy Pinball
・How to Train Your Dragon
・Trolls
・Kung Fu Panda
・MY LITTLE PONY Pinball
■ZENオリジナル
・Biolab
・Son of Zeus
・Wild West Rampage
・Adventure Land
・CastleStorm
■WILLIAMS PINBALL
・Theatre of Magic
・Getaway: High Speed II
・Attack from Mars
・Medieval Madness
・Champion Pub
・Black Rose
・Junk Yard
■STAR WARS PINBALL
・The Clone Wars
・Episode V: The Empire Strikes Back
・The Force Awakens
・Boba Fett
収録されたピンボールは,ゲームスタート時から全機種をプレイ可能だ
操作は原則,画面右側をタップやスライドして行うボールの打ち出し,画面下側左右のタップによるフリッパー操作,画面上側のフリックによる台揺らしとなる。
iPhoneやiPadの縦長の画面はピンボールの画面構成にマッチしていて,振動による演出も心地いい。
もちろんゲームパッドにも対応。LRボタンによるフリッパー操作は遊びやすく,スティックにアサインされた台揺らしもやりやすくなっている。
![]() フリッパーが複数ある機種も。必ず意味のある場所に設置されているのでうまく活用しよう
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![]() ボールの挙動を変える台揺らしは行うと警告が出て,連続で行うと「ティルト」のペナルティでボールをロストしてしまう
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![]() 特別なフィーチャーは普段の盤面とは違うシーンに切り替わるデジピンならではの演出もある
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![]() 機種ごとの「テーブルガイド」にはフィーチャーについての解説がある。専門用語がちょっと難しい
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「アニメーションヒーローズ」では,「ガーフィールド」や「スヌーピー」「カンフー・パンダ」など,キッズ向けカートゥーンアニメのIPを採用した台を用意。
フィールドは全体的に可愛らしくシンプルめの構成で,フィーチャー(役)やボールの動きも分かりやすくなっている。とはいえ決して簡単ではないのがピンボールらしいわけだが,デジピンをあまり遊んだことがない人は,まずこちらのいずれかの台を遊んで感覚を掴んでみるといいだろう。
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「ZENオリジナル」はその名のとおり,Zen Studiosオリジナルのピンボールがそろう。ファンタジー,西部劇,テーマパークなど,ピンボールらしいテーマの機種がある中で,「CastleStorm」は同社が2013年にリリースしたタワーディフェンスゲームを題材としたものだ。
筆者としては,賞金稼ぎのシンディを主人公に据え,決闘や列車強盗の西部劇フィーチャーがある「Wild West Rampage」が好みだ。
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「WILLIAMS PINBALL」には,1990年代にWilliams社がアーケードでリリースした実在のヒット作がそろう。
「Medieval Madness」や「Attack from Mars」「Black Rose」など異なるテーマのピンボール台は,ほかの機種と比べると若干クラシカルな印象は受けるものの,演出の強化により見劣りすることはない。
カーチェイスをテーマにした「The Getaway: High Speed II」は筆者も過去に実際に遊んだことがあり,フィールド奥側にあるフリーウェイをボールがグルグルと回りエンジンのRPMが上がってボーナスにつながる演出は興奮する。これらをいつでも手軽にプレイできるのも本作の大きな魅力だ。
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そして「STAR WARS PINBALL」は,国内でも同名のタイトルがリリースされている「スター・ウォーズ(SW)」をテーマにしたタイトル群だ。
本作において目玉とも言える追加アップデートによる機種で,現在は「The Clone Wars(クローン・ウォーズ)」「Episode V: The Empire Strikes Back(帝国の逆襲)」「The Force Awakens(フォースの覚醒)」「Boba Fett(ボバ・フェット)」の4機種をプレイできる。
SWファンならずとも馴染み深いジョン・ウィリアムズ氏によるSW楽曲とともに,劇中で耳にしたセリフや効果音が鳴り響き,フィーチャー発生時はSWの人気キャラクターやビークル,ドロイド達が画面狭しと動き回る。
筆者は「STAR WARS PINBALL」の家庭用機版を所有していて,本作に収録されたタイトルもプレイ済みだが,この中では「Episode V: The Empire Strikes Back」が気に入っている。惑星ホスの攻防やヨーダとの修行,そしてあまりにも有名なダース・ベイダーとルークの邂逅シーンなどが6種のフィーチャーとなっていて,それをピンボールで追体験できるのが熱い。すべて見るのはかなり大変だが,挑戦してみる価値はある。
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これらの収録タイトルを使用したチャレンジイベントや,ボブルヘッドフィギュアの「Funko Pop」をテーマにした対戦型ピンボール「Funko Pinball Party Arena」など,オンラインのゲームモードも充実している。
![]() 機種ごとに規定のスコアを獲得するとスターがもらえ,その数に応じてリワードがもらえる
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![]() ピンボールのディスプレイを使ったミニゲーム。オマケ的なゲームモードだ
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![]() 対戦専用の「Funko Pinball Party Arena」。練習モードもある
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![]() 特定の機種でお題に挑戦して競うイベントも開催されている
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現在は実機が置いてあるアミューズメント施設も少なくなり,遊ぶ機会も減ってしまったピンボールだが,本作で実機に近いプレイフィールを手軽に体験できるのはうれしい限り。
最初はボールを落とさないようフリッパーで打ち返しているだけでもいいが,盤面のランプが点灯している場所や,動いているギミックがあるところを狙ってボールを打ち込めるようになれば,何かしらのフィーチャーが発生してスコアは一気に上昇する。同じ台を繰り返しプレイしていくうちに,どうするとフィーチャーが発生するのか少しずつ分かってくるはず。
これまでピンボールをあまり遊んだことがない人も,たくさんの機種が収録された本作を“今日から始めて”ピンボールの面白さを味わっていただきたい。
「Zen Pinball Party」公式サイト
「Zen Pinball Party」ダウンロードページ
Apple Arcade:月額900円(税込) / 年額6000円(税込)
Apple One:月額1200円(税込)
※「iCloudプラス(50GB)」「Apple TV+」「Apple Music」「Apple Arcade」を利用可能Apple Arcade登録ページ
Apple Arcade公式サイト
Apple One公式サイト
※本記事には一部アフィリエイトリンクを含みます。
🧠 編集部の感想:
「Zen Pinball Party」に収録された22台のピンボールは、多様なテーマと魅力的な演出で楽しめるのが嬉しいですね。特に「スター・ウォーズ」のキャラクターやシーンが再現されているのはファンにはたまりません。手軽にプレイできるので、ピンボール初心者でも気軽に楽しめるのが魅力的です。
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