「インスタ映えって、うち関係あるの？」に答えますしかけづくり（山崎）シニア・職人気質の経営者のマーケティングパートナー

「インスタ映えって、若い子向けでしょ？ウチみたいな業種に関係あるの？」

製造業や職人仕事、飲食やサービス業など、“映え”とは無縁に見える現場でよく聞かれる言葉です。

でも、実はその感覚こそが“もったいない”のかもしれません。 特に今は、「インスタ映え」がもはや古い価値観になりつつある中で、“映える＝キラキラ写真”ではなく、“伝わる写真・共感される投稿”が求められています。

今回は、「インスタ映えは関係ない」と思っている経営者の方に向けて、その考え方のどこが危ういのか、どう活用すれば現場の価値を正しく届けられるのかをお話しします。

1. そもそも「インスタ映え」ってもう古い？

2017年頃に流行語大賞にもなった「インスタ映え」。 キラキラしたカフェ、派手なスイーツ、フォトジェニックな風景──そんな写真がSNS上を埋め尽くしていた時代がありました。

でも今は、そうした“作られた映え”はむしろ飽きられつつあります。 フォロワー数よりも「中身」や「信頼感」、そして「人柄」が重視されるようになりました。

つまり、今のインスタは“映えるかどうか”より、“リアルが伝わるかどうか”が勝負なのです。

2. うちには関係ない？実は一番見せてほしいのは「リアル」

「ウチは製造業だし」「飲食だけど厨房の写真なんて…」 そんな声がよく聞かれます。

でも、実際にユーザーが見たいのは、

• どうやって作られているのか？

• 誰が作っているのか？

• どんな現場なのか？

という“裏側のリアル”だったりします。

たとえば、

• 職人の手元だけを切り取った作業風景

• 作業前と作業後のビフォーアフター

• 長年使い込んだ道具と、それを語る一言コメント

これだけで、見る人には「想い」や「誠実さ」が伝わるのです。

3. 共感される投稿＝生活の中での“温度感”

たとえば、以下のような投稿。

• 「今日はあいにくの雨。でもこんな日は丁寧な仕込みに集中できます」

• 「古い型をメンテナンス。まだまだ現役です」

• 「常連さんの“これが一番うまい”の声に背中を押されて、今季もこのメニュー復活」

こうした投稿は、キラキラしていなくても、人柄や背景が伝わるからこそ“共感”され、結果的に“映える”のです。

つまり、見せるべきは「自分たちの当たり前」。 それが他人には“見たことのない世界”に映る可能性があります。

4. 実例：町工場のケース

たとえば、鉄製の小物を作る町工場Fさん。 当初は「インスタ？そんなチャラいもんはうちには関係ないよ」と一蹴していました。

ところが、取引先の若い担当者から「今どきインスタに写真があると営業しやすいんですよ」と言われたのをきっかけに、投稿を始めてみることに。

最初にアップしたのは、

• 作業机に並ぶ工具

• 寸分の狂いもない仕上げの様子

• 研磨前と後の比較写真

これが思いのほか反響を呼び、若手職人希望の問い合わせや、既存取引先からの信頼アップに繋がったそうです。

「カッコつけなくていいんだ。いつもの仕事を、ちょっと見せればいいだけなんだね」と語ってくれました。

5. 映えなくても、伝わる写真の撮り方

映える必要はありません。でも、見る人に「伝わる」ことは意識したい。

• ポイントは3つ：

  • 手元や道具など“プロっぽさ”が出る部分を撮る

  • 現場の空気感が伝わるよう、明るさやアングルを工夫する

  • 文章は短くてもOK、「ひとこと」があると印象が変わる
    例： 写真：寸法を測る手元　→ コメント：「0.1ミリ単位の調整。今日も神経使います」

まとめ

「インスタ映えなんて関係ない」 そう思っていた方にこそ届けたいのは、「映える必要はない、でも伝える必要はある」ということです。

今や“キラキラ”はもう古い。 これからの時代は、“リアルな現場の熱量”こそが映えるのです。

あなたの仕事の様子、今日の作業台、使い込んだ道具。 それらを通して、技術と人柄がじわっと伝わる発信、始めてみませんか？