水曜日, 6月 4, 2025
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「わさドラ」ならではの大長編 という一つの到達点バンサのエサ

🧠 あらすじと概要:

映画「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」あらすじと要約

あらすじ

「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」は、ドラえもんとのび太が冒険する物語です。物語の背景には「絵」がテーマとして設定されており、絵画の世界に飛び込むことでさまざまな困難に立ち向かいます。新たなキャラクターや強いメッセージが盛り込まれており、友情や努力の大切さが描かれています。

記事の要約

この記事では、映画「絵世界物語」の感想を述べています。著者は、重厚な脚本と高い画質の完成度に感動し、特にキャラクターの関係性や成長が素晴らしかったと評価しています。「わさドラ」ならではのスタイルが進化し、前作「地球交響楽」との共通点を挙げながらも、「絵」に特化した冒険の魅力を強調しています。

絵の表現技術やそれが現代の子どもたちに与える影響についても言及し、特に「大好き」という気持ちを込めた絵の大切さを訴えています。近年の「わさドラ」映画の特色として、親子の関係性が描かれている点や、脚本・監督の才能についても説明されています。記事は最終的に、「わさドラ」としての新たな到達点に達したと結論づけています。

「わさドラ」ならではの大長編 という一つの到達点バンサのエサ

バンサのエサ

都道府県、劇場によって差異はあるだろうが、私の住んでいる近隣の映画館では、
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(以後『絵世界物語』)
が上映終了となった。

私はこの映画は2回目の鑑賞であるが、1回目の鑑賞で、あまりの画の完成度の高さと、脚本のレベルの高さに感服してしまい、長年の夢を叶え、素晴らしいエンディングを歌いあげた大好きな歌い手さんである、あいみょんの気持ちを考えて涙を流しながら劇場を後にしたのだった。

声優陣の皆さんが現体制(以後わさドラ)に一新されてからの映画は、基本的に劇場では過去作のリメイクのみを鑑賞しており、オリジナル作品は、

『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』(以後『ひみつ道具博物館』)

を観に行ったくらいで、それがずっと、わさドラにおいてのNo. 1だと思ってきた。

しかしながら、昨年の

『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』(以後『地球交響楽』)これが、私の好みどストライクな作品、脚本で、前体制(以後のぶ代ドラ)の作品群とはひと味違う傑作であると感じた。

ドラえもんとのび太を中心とした、各キャラクターの関係性と活躍、脚本の展開、「音」をキーワードにして、地球に溢れる様々な音を美しく視覚的にも表現し、くうき砲や、ショックガンなどの武器に頼らない問題の解決の仕方、何よりのび太のひと夏の努力にあげる成長を描いた点がとても素晴らしかった。

そんな昨年から、自分の中で、わさドラのオリジナル作品への期待と羨望がより高まっていった。

そして、冒頭の『絵世界物語』へと話を展開していく。

個人的に、昨年の『地球交響楽』、今年の『絵世界物語』を指し、わさドラ芸術2部作 と呼称するのが相応しいと考える。何故なら、前述した通り「音」、そして本作は「絵」がテーマの作品になるからである。

しかし、そのアプローチや作風は大きく異なる。

今回の『絵世界物語』は前作、『地球交響楽』の比較的穏やかで静かな作風に対して、冒険やスペクタクルに重点が置かれた、かつてののぶ代ドラの作風を想起させるものであった。

しかしながら、やはり時代は進んでいる分、絵の世界を色彩や視覚効果でより多彩に再現したり、表現豊かに絵を再現できるようになった。その一つの形がオープニングの世界の絵画たちにドラえもん達が飛び込むという映像表現である。

これは、かつてのぶ代ドラを小学生の頃に観て、フルCG(今観ると、流石に無理に使っている感は否めないが)で描かれたドラえもんを初めて観た時の衝撃と感動に似ているし、これを今の子供達が観た時に、どんな衝撃を抱くのかとても気になった。

また、本作のゲストヒロイン、クレアの瞳の色でもあり、劇中の謎にもなる「アートリアブルー」の複数の色が見る角度や光の当たり方によって変わる表現は、まさに現代のアニメ表現だからこそ可能になった美しさ。

それを、13世紀のヨーロッパで暮らすマイロがいかに表現をするのか、また、彼の時代にとって紙やクレヨンがあり、かんたんに絵を描ける現代がいかに幸せなのかを描いている。

また、『地球交響楽』、のび太のリコーダーの「の」の音のように、のび太だから描けた、とある「絵」。彼しか描けなかった絵が、絶望的な状況をひっくり返す切り札となり、劇中の「上手い絵」を描くよりも、「大好き」という気持ちを込めて一生懸命かいた自分だからこそ描ける絵こそが素晴らしく、大切なことであることを、強く、優しいメッセージとして、絵描きのマイロや、画家志望だった、のび太の父、のび助が言葉にすることで大きな説得力と、感動を与えてくれる。

そのような、人が大人になる上で大切にして欲しいことを明確に、しかし、優しく寄り添うように伝えてくれるのが、近年のわさドラ映画の素晴らしさだと思う。強いメッセージ性を時に強く打ち出す、のぶ代ドラと一線を画すという点は、ここが大きいように思う。

『ひみつ道具博物館』で描かれた、ドラえもんとのび太の鈴を巡る過去回想も、わさドラの特徴でもある保護者というよりは友達というドラえもんのたちいちと、のび太との関係性によって成立していると言えるだろう。

また、わさドラを多く担当している監督の、寺本幸代、脚本の、伊藤公志 両氏の深い、ドラえもん、ひみつ道具への理解度と愛による素晴らしい仕事ぶりが、それを可能にしてくれたのだろう。

ひみつ道具のチョイスや使い方、なるべくオリジナルのひみつ道具を出さないようにしたいという伊藤氏の発言からもそれが伺える。寺本監督は、『ひみつ道具博物館』に引き続き素晴らしい大長編を生み出してくれたことに感謝したいし、伊藤氏には、また新たな大長編の脚本を担当して頂きたいと切に願っている。

語れば尽きないが、この勝手に命名、 わさドラ芸術二部作 を論述することによって、

「わさドラ」ならではの大長編 という一つの到達点 に至ったというタイトル回収と結論としたいと思う。

バンサのエサ

映画、特撮、アメコミ、アクアリウム、ラーメン、自炊、酒、園芸…好きなものをなるべく多くして、人として豊かに、文化的に生きていきたいと思う最近です。 日々の雑記や、映画の感想などを文章の形で投稿出来ればなと思っています。



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