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「ふたり~あなたという光~」を観た感想TANOSHIKAどんよりと晴れている

🧠 あらすじと概要:

映画「ふたり~あなたという光~」のあらすじと記事の要約

あらすじ

「ふたり~あなたという光~」は、統合失調症を抱える妹とその姉の物語です。姉は妹の症状と向き合い、彼女の存在が自分の人生にどのように影響するのかを考えながら、自分自身の幸せを追い求める中で結婚を決意します。この映画は、三間瞳さんの実体験を基に作られており、家族の絆や、障がいを持つ人々とその家族の苦しみと幸せを描いています。

記事の要約

映画を観た感想として、著者は自身も統合失調症を抱えていることから、作品に大きな影響を受けたと述べています。特に、妹の症状が重かったことに衝撃を受け、家族の中で抱える苦しみや葛藤について考えさせられました。姉が結婚を選ぶ過程は評価されていますが、物語が家族内の問題解決に限定されている点についての閉鎖的な印象があり、社会全体での理解や支援が求められると感じたようです。

また、姉妹の絆や社会的な孤立についても触れ、障がいを持つ家族を支える中で自身の幸せを求めることの重要性を訴えています。作品の続編を期待し、障がいを持つ人々の幸せを考えることの必要性を強調しています。

「ふたり~あなたという光~」を観た感想TANOSHIKAどんよりと晴れている

TANOSHIKAどんよりと晴れている

2025年6月9日 10:37

先日、「ふたり~あなたという光~」を制作した三間瞳さんにインタビューを行いました。統合失調症の妹を持った姉が結婚を決意するまでの物語です。三間さん自身の体験を元に制作されました。
エグゼクティブプロデューサーとして携わった三間さんのインタビューした感想を踏まえながら、私自身統合失調症当事者としての映画を見終わった感想を書いていこうと思います。

映画を見た感想

妹さんの症状について

私も統合失調症ですが、今働いているA型事業所でも、入院中でも、会話ができないくらい症状が重い人を見たことがないので、正直ショックを受けました。

妹さんは自閉症などの他の障がいもあるのではないかと思ってしまいましたが、知的障害もあるということなのでそれで障害が重いのだなと思いました。

あれだけ症状が重いと、ご結婚は相手方の親族から反対されるのはわかる気がします。
しかし、統合失調症でも結婚し、子育てしている方も多くいらっしゃるので、症状も人それぞれだなと思いました。

映画の内容について

統合失調症って普通じゃないですよね。普通じゃない人を支える人も普通じゃなくなる。だから、普通の幸せを得る資格がないのかっていうとそうではなく、その家族にも家族の人生がある。

一人の女性が自分の幸せをつかみ取るまでの過程をドラマ化したことは評価できます。

しかし、統合失調症の妹がいる以外はごく一般的な、むしろ恵まれているご家庭でのお話であり、統合失調症の妹さんさえいなければ何の支障もなく、ご結婚されることができるという事実が、統合失調症当事者の私から見ると苦しくなります。
自分の存在が家族の十字架になる可能性があることを思い知らされました。

主人公の姉はそれでも結婚する道を選びます。妹が足かせになろうとも夫となる人と幸せになろうとします。その選択を選んでくれたことは喜ばしいことであり、妹さんも祝福したと思います。

希栄さんが結婚に賛成してくれたことにより、お姉さんは一歩前に歩けたこともわかりました。

「きょうだい」としての生きづらさを焦点に描かれた物語は多くの「きょうだい」の気持ちを代弁してくれるのでしょう。
ここで取り上げなかったら、彼女たちは見えない存在として社会からも忘れられ、その苦しみも理解されず、なんの援助も受けられず、ひっそりとその苦しみに耐えるしかなかったのだと思います。

もっと知りたかったこと・気になったこと

統合失調症といってもいろいろあるのだなと思わされた反面、希栄さんご本人の気持ちがよくわからなかったなと思いました。
統合失調症である姉の心の葛藤ももう少し深堀りしてもよかったかなとも思います。

お姉さんも希栄さんを大切に思っており、希栄さんもお姉さんを大切に思っていることはわかったのですが、彼氏さんの母親となる人の意見に対抗する具体案は示されておらず、世間が病気を抱えた家族を支えるためには何が必要なのかまでは描かれていないのが残念に感じました。家族の心情だけで解決できる問題ではないのに、家族内だけで物語が完結してしまっていることになんとなく閉鎖的なものを感じました。家族だけで問題を解決しなければならない「きょうだい」の孤独が浮き彫りになっていると感じました。希栄さんの日常が家族だけに支えられているのが見ていてつらかったです。

父親が他人事で子育てに積極的にかかわっていない様子や、妹さんに対して心無い発言を平気でしていることも気になりました。
三間さんにとってはそれが真実の家族の形であるとは思いますが、なんかモヤモヤした気持ちになってしまいました。

「きょうだい」について考えたこと

「きょうだい」の存在をまず認めること。
そこから光ある希望の一歩が始まると思うのです。障がいを持つ家族を支えるために生きていくのではない、その人自身の幸せを求めることは決していけないことではありません。

「きょうだい」を孤立させない社会が求められていると思います。
より多くの人にこの物語が届き、社会を巻き込んで個人の幸せを得るにはどうしたらいいのか考える必要があると思います。

そして、続編の制作を期待します。「きょうだい」の親が亡くなった後の物語が知りたいですし、「妹さん自身の幸せがなんだったのか」「きょうだい」に社会が何ができるのか知りたいと思いました。

「ふたり~あなたという光~」公式サイト

↓こちらでも記事を書いています。興味のある方は読んでみてください。

↓絵本を書きました。ぜひ、お読みください。

TANOSHIKAどんよりと晴れている

初めまして「どんよりと晴れている」と申します。長いので略して「どんはれ」とお呼びください。就労継続支援A型事業所TANOSHIKA CREATIVE でライターをしています。日々の生活の中で感じた些細だけれども面白かったことなど書き綴っていこうと思います。よろしくお願いします。



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