いつも浅い話ばかりで、深い会話ができない」「踏み込んだ質問は避けて、当たり障りのない話ばかりしてしまう」上司や部下・同僚、取引先・お客さん、家族・友人との人間関係がうまくいかず「このままでいいのか」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
世界16カ国で続々刊行され、累計26万部を超えるベストセラーとなった『QUEST「質問」の哲学――「究極の知性」と「勇敢な思考」をもたらす』から「人生が変わるコミュニケーションの技術と考え方」を本記事で紹介します。

「どういう意味?」と言う人は嫌われる。頭がいい人はどう言っている?Photo: Adobe Stock

具体的に質問する

私たちの質問には、中途半端なものが多い。

誰かが「ブラムがまたいつものアレをしていたよ」と言ったら、あなたが「どういう意味?」と尋ねるのはごく自然なことだ。

しかし、「どういう意味?」は完全な質問ではない。

相手の発言のどの部分を指しているのかが明確ではないからだ。

「……ってどういう意味?」と尋ねなければ、正確な答えは引き出せない。

この場合なら、「“いつものアレ”ってどういう意味?」と尋ねるべきだろう。

以下のようなもっと複雑な状況では、事態はより厄介になる。

アンナと通りを歩いていたら、あの男に出くわしたんだ。
たぶん君も知っているはずさ。見ればわかるよ。
彼はベンチに座っていて、隣にベビーカーを置いていた。
そして顔を上げると、大声で叫び始めた。
実に奇妙だった。どう反応していいかわからなかったよ。

ここでも、「どういう意味?」は自然な質問のように思えるかもしれない。

しかし、それだと何を指しているのかが不明だ。

男性のことなのか、アンナのことなのか、男性が何かを叫んだことなのか、誰に向かって叫んだのかということなのか、そもそもなぜベビーカーが置いてあったのかということなのか。

これに対し、「アンナって誰だっけ?」「どの男のこと?」「彼は何て叫んだの?」「彼は誰に向かって叫んだの?」「何が奇妙だと思ったの?」などの明確な質問は答えやすいので、受け手は何を尋ねられたかを迷うことはない。

質問を具体的にすれば、焦点が絞られ、求める情報が正確に得られる。

(本記事は『QUEST「質問」の哲学――「究極の知性」と「勇敢な思考」をもたらす』の一部を抜粋・編集したものです)