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概要
藤村正宏氏の記事では、現代の消費社会において「こだわり」だけでは人が動かないことを説いています。物の価値は重要ではなく、消費者が求めるのは「体験」や「記憶」であると強調しています。ブランドや商品が提供する体験の質が、選ばれる理由になるという見解を示しています。
要約
- 現代の製品は質が高く、選択肢が豊富になった。
- 「こだわり」はもはや個性ではなく、スタートライン。
- 商品の価値は「コーヒーそのもの」ではなく、その「体験」にある。
- 体験価値が重視される時代には、店舗はただ訪れるだけで意味がある場所になる必要がある。
- 消費者が求めているのは物ではなく、楽しい時間や思い出。
- マーケティングにおいて、商品を通じて提供する物語が重要である。
誰もが「こだわり抜いた逸品」を語るけれど、それはもう、あたりまえになってしまった。
“こだわり”は、もはや個性ではなく、スタートラインにすぎない。
たとえば、スターバックスのコーヒーと、コンビニのコーヒー。どちらも美味しい。どちらもちゃんと作られていて、ちゃんと人の手が入っている。でも、価格は違う。なぜか?
それは「場所」と「時間」と「体験」が違うからだ。
スターバックスには、あの空間がある。オーダーしている間に漂うコーヒーの香り、バリスタの軽い会話、少し低めの音量で流れるジャズ、
そして、自分だけのテーブルと椅子。
つまり、人は“コーヒーそのもの”じゃなくて、
“コーヒーを飲む時間”を買っているんだ。
無印の白Tシャツとアルマーニの白Tシャツも、そうだ。どちらも質は良いし、たぶん洗濯にも強い。でも、それを身につけたときの気分は、まるで違う。タグに刻まれたブランド名と、それにまつわる記憶や物語が、
価値の差を生んでいる。
つまり、こういうことだ。
もう、モノには価値がない。あるのは、“売れ方”だけだ。
これからの時代、「体験」こそが価値になる。リアルであることが、特別になる。ただ行くだけで、意味のある場所。ただ話すだけで、何かが伝わる人。
そういうリアルな接点が、かけがえのない存在になっていく。
たとえば、ある花屋がある。店の真ん中に大きな木のテーブルがあって、買わなくてもいいから座ってください、というカフェスペースがある。そこでコーヒーを飲んでいると、花を包む音が聞こえてくる。「この前のバラ、長持ちしたよ」なんて会話が、店員さんとの間に生まれる。
そんな風景が、体験になる。
またある雑貨屋では、毎週末に「SNS撮影OK」のイベントをしている。壁一面のドライフラワーを背景に、お客さんが写真を撮って、ハッシュタグをつけてアップしていく。そこに映っているのは、商品ではない。
“楽しかった時間”という名の記憶だ。
これからの店舗は、「来るだけで価値がある」場所にならなきゃいけない。そうじゃなきゃ、家から出る意味がなくなってしまう。
スマホひとつで、何でも買えてしまうこの時代には。
こだわりは、もう“前提条件”でしかない。選ばれるのは、「どんなふうに思い出に残るか」という視点だ。ぼくらが届けるべきなのは、商品じゃない。それを通して、どんな時間を過ごせるか。
その物語を伝えることなのだ。
・6月13日(金)14時 エクスマトークセッションin北海道
「藤村流で動画が1日で30本作れちゃう方法伝授セミナー」AIを使うと効率的に作業ができるし、Instagramのリール動画を1日30本だって作れちゃう。あなたのコンテンツや思想を伝えるために、たくさん動画を発信するのは、いいことだと思う思う。
・7月8日,9日 劇団藤村組公演 東京月光奇譚『シュレディンガーの猫』
劇団藤村組は「エクスペリエンス・マーケティング」の生みの親である藤村正宏が立ち上げた劇団。
自身が学生時代に演劇をしていた経験から、演劇がビジネスに大いに役立つと実感し、エクスマ塾生の経営者を中心に5年前から活動している。
7月8日と9日、東京上野の小劇場『バズチカ』で公演します。
詳細、ストーリー、キャスト紹介と、観劇申込はここから。
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