

コンプラ意識が浸透してきたなかで、管理職の頭を悩ませるものの1つが、部下への注意の仕方。失敗の多い部下や問題のある部下にパワハラにならないように注意するにはいくつかポイントがあると樋口裕一氏は言います。そこで、今回は同氏の新刊『その一言で信用を失うあぶない日本語』(青春出版社刊)から、パワハラにならないうまい注意の表現について、抜粋して紹介します。
コンプラ違反に
つながる日本語
現代ほど、言葉が重視される時代はこれまでなかったと言えるかもしれない。
失言や不適切な言葉遣いのために地位を失った政治家、出演機会を奪われたタレント、世間から総攻撃を受けたアスリートは数知れない。私の身近でも、知人が仕事始めの挨拶の際に不適切な冗談を言ったために地位を追われたという話を聞いた。ネットをのぞいても、言葉遣いが原因の炎上があちこちに見られる。ひと昔前であれば、誰もが普通に使っていた言葉が世間で問題視されることも多い。
そこで突然だが、パワハラにならないように部下に注意したいとき、次の内容をどのように改めるか。最後に解答例を載せるので、少し考えていただきたい。
(1)先日のプレゼン資料はまったく説得力がないので、全面的にやり直しなさい。
(2)毎回毎回同じミスを繰り返して、おまえ、どうなってるんだ。頭が悪いか、病んでいるか、どちらかだろう。
(3)君は周囲の迷惑を考えないで自己主張ばかりするので、ほかのメンバーが困っている。さっさとこの仕事から降りてしまえ。
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