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ホームニューステックニュース「あのやり取りどこでやったっけ?」を AI で解決! Slack 擬似 Deep Research を作ってみる

「あのやり取りどこでやったっけ?」を AI で解決! Slack 擬似 Deep Research を作ってみる


Slackのようなチャットツールでのコミュニケーションが日々活発に行われる組織は多いかと思います。しかし、その高頻度なやりとりの中で、「あの情報、どのチャンネルで話したっけ?」「誰が担当だったかな?」と、過去の重要なやりとりを見失ってしまうことはないでしょうか。

この記事では、この課題を解決するための一つのアプローチとして、 Ubie で Slackの過去の会話をAIが深く検索・要約してくれる「擬似 Slack Deep Research」 を開発した事例についてご紹介します。

Slack を Deep Research するというのは、世の中の Deep Research が Web 検索を使って行っているものを Slack 検索にそのままスライドしたイメージです。単発の検索では得られないような、より深い検索結果を、生成 AI の力を借りて実現できます。

例えば、事業の状況と過去の変遷をキャッチアップしたり。

例えば、ツールができることの知見を探ったり。

例えば、マリンスポーツが趣味な同僚の過去の発言から知見を掘り起こしたり(?)

このように、業務上の重要な情報から、メンバーの知見が集まった趣味の会話まで、Slackに眠る様々な情報を資産として再利用できます。

このアプリは、大きく分けて以下の3つの要素を組み合わせて実現できます。

  1. Slack検索ツール
  2. 生成AIアプリケーション
  3. Slackアプリケーション

Ubie ではたびたび紹介している社内ツール「 Dev Genius 」のいち機能として実装しておりますが、上記エッセンスを使って単独のアプリケーションを組むのも容易だと思います。

https://zenn.dev/ubie_dev/articles/ee95c03794f47f

(1) Slack検索ツール

まず、Slackの会話を検索するための機能が必要です。これは開発に使用するフレームワークに沿って選択するのが良いでしょう。手っ取り早く済ませたいなら、 Ubie が OSS として公開している @ubie-oss/slack-mcp-server をご利用いただくのも良いかと思います。この MCP サーバは Slack 検索 API に相当するツールを提供しています。

https://github.com/ubie-oss/slack-mcp-server

ちなみに、みやっちさんが紹介してくれておりますが、このサーチツールはこれ単体だけでも結構便利なので、「Deep じゃなくていいので簡単なサーチをしたいな」という方にもおすすめです!

https://x.com/miyatti/status/1948140507735216480

(2) 生成AIアプリケーション

次に、検索ツールを駆動する生成AIアプリケーションを構築します。

今回は、Googleが公開している Gemini X LangGraph のクイックスタートプロジェクト を参考にしました。このプロジェクトは LangGraph をベースにしており、以下のような高度な処理フロー、ざっくり言うと「反復的に Web 検索を行う」ようなフローを実装しています。

この「計画→実行→評価」のループこそが、単なるキーワード検索を超えた「Deep Research」の核となります。そしてこの処理フローにおいて、アプリケーションを自作するなら「web_search」の部分は別のツールを呼ぶようにもできます。

(3) Slack アプリケーション

これはオプションですが、もし Slack から Slack Deep Research をしたいなら、 Slack からリクエストを受けるインタフェースを用意するといいでしょう。
これは Bolt でメンションハンドラーを実装するなど簡単な実装で良いのではないかと思います。

(余談) AIコーディングエージェントの活用

「自分で実装するのは大変そう…」と感じるかもしれません。しかし、近年進化が著しいAIコーディングエージェント(例: Cursor, Claude Code, GitHub Copilotなど)を活用すれば、開発のハードルを大きく下げられます。

実際わたしは前述の Dev Genius において以下のようなプロンプトを Claude Code に投げて大枠を整え、その後 Web じゃなくて Slack サーチツールを装着する修正を追加することでプロトタイプ構築を行いました。既存資産は一定あったとはいえ、サンプルプロジェクトや既存の MCP サーバなどを組み合わせることで、「片手間でも」こうした機能が実現できました。

このプロジェクトにおいて、ワークフローにて、Deep Research Nodeという新しいノードを追加したい。これは中身としては、 LangGraph を使って何度か深く検索をするということを実現してくれるもの。こちらを参考にして実装して > https://github.com/google-gemini/gemini-fullstack-langgraph-quickstart

Slackでの活発なコミュニケーションは、組織にとって間違いなく価値ある資産です。しかし、その資産は日々流れ去っていき、活用するのは容易ではありません。

今回ご紹介した、生成AIを活用した「擬似 Slack Deep Research」は、Slackに眠る過去の文脈やメッセージという名の資産を掘り起こし、誰もがアクセスできるようにするための強力なツールとなり得ます。それがミニマムで良ければ既存アセットを駆使して片手間でも実現できる環境が整っています。 Ubie においても、わたしが何かの作業のついでに AI に依頼を繰り返して片手間で完成させたものながら、 200 回を超える回数社内で使われる に至り、中には埋没した知見を得た事例も生まれました。

この記事が、あなたの組織の知識活用を促進する一助となれば幸いです。



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