🔸内容:
映画『国宝』の紹介と鑑賞後の感想
映画の概要
李相日監督による『国宝』は、吉田修一の小説を原作にしたドラマです。物語は、任侠の家に生まれた喜久雄の波乱に満ちた人生を描いています。喜久雄は、父を抗争で失い、歌舞伎界に身を投じます。彼は、歌舞伎の名門、花井半二郎に引き取られ、半二郎の息子・俊介と共に成長します。しかし、俊介の代役として喜久雄が選ばれたことで、二人の運命は大きく変わっていきます。キャストには、吉沢亮(喜久雄)、横浜流星(俊介)、渡辺謙(半二郎)などが名を連ねています。
鑑賞後の印象
映画を観終えた直後の感想は「疲れた…」でした。約三時間の上映時間にも関わらず、満席の盛況さに驚きました。この映画は、見るには相当な覚悟が必要だと感じましたが、映画ファンとしては観る運命にあったと思います。
物語の中で、喜久雄と俊介はそれぞれ異なる背景から芸の世界で闘います。特に心に残ったシーンは、父が選んだ代役が血のつながりのない喜久雄だった時の、俊介の葛藤です。「守ってくれる血が、俺にはないねん」という彼の言葉から、血筋によって評価が決まる残酷な現実が伝わってきました。
喜久雄は、実力での成功を収めるも、血筋による評価への憤りを抱えつつ、俊介との愛憎の関係が深まります。互いに認め合い、許し合う姿勢が印象深く、芸に生きることで命の美しさが表現されているのも本作の魅力です。
最後に
観る価値はありましたが、娯楽としてはやや重厚すぎる印象も受けました。上映中には、周囲の若い観客が眠ってしまう場面も見られ、映画への集中が求められるのを感じました。それでも、この作品には多くの思考を促す要素が詰まっており、特別な体験を提供してくれました。今後も映画館での上映に注目したいと思います。
🧠 編集部の見解:
鑑賞後の感想と映画『国宝』について
この映画、正直しんどかったです。公開から3ヶ月近く経っても満席で、約3時間という長さにも関わらず、皆さん熱心に観ています。私も映画好きだからこそ観なければと思い、いざ劇場へ。しかし、鑑賞後にふと思ったのは「疲れた…」という素直な感情でした。
映画の印象とテーマ
物語の中心は、任侠の家に生まれ、歌舞伎の道に進む喜久雄と、歌舞伎の家に生まれた俊介の壮絶な人生です。特に印象に残ったのは、「血か芸か」というテーマでした。親子の繋がりや、血の意義を問いかけるストーリーが心に響きました。喜久雄が父に選ばれなかった悔しさ、そして彼の決意が、見る者に深く印象づけます。
社会的影響や背景
歌舞伎って、実は日本文化の深層に根ざしているんですよね。家柄や血筋が重要視される中で、才能や努力が踏みにじられないかという問いは、今の社会でも共通する問題。特に、才能をもっていても血に縛られている人々がいることを考えると、胸が苦しくなります。
鑑賞する際の心構え
この映画は娯楽というよりも、鑑賞後に思索を促す作品です。カジュアルな観客には少々敷居が高かったかもしれません。自分の前で寝ていたカップルも、その一例なのかなと。しっかり向き合わなければ、この濃厚な物語は消化できません。
観終わった後の疲労感は、きっとこの映画が私たちに訴えかけているものを理解するための代償なのかもしれません。観て良かったと思いつつ、次はもう少しライトな映画にしようかなと思ってしまいますね。
では、また次回の映画鑑賞でお会いしましょう!
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キーワード: 血脈
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