米ニューヨーク州選出のマイク・ローラー下院議員(共和)が27日に開催した対話集会は、怒号や罵声が飛び交う混乱した場となった。参加した有権者らは、トランプ大統領や共和党議員に対する不満や怒りをあらわにした。
「皆さん、私に質問に答えてほしいのであれば、まず質問をさせた上で答えを聞いてください」と、ローラー議員は訴えた。同州ウェストナイアックの高校に詰めかけた700人の出席者の一部は、自身を中道派と位置付けた同議員を嘲笑した。
トランプ氏の政策に対する草の根レベルでの怒りが、有権者とのこうした対話集会で噴出している。貿易戦争や、イーロン・マスク氏の「政府効率化省(DOGE)」が推進する連邦職員の大量解雇など、同氏の政策は物議を醸している。

ニューヨーク州ウェストナイアックでの対話集会。壇上で話すマイク・ローラー下院議員(4月27日)
Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg
最近の一連の世論調査で、トランプ氏の支持率は低下。金融市場の混乱や経済に対する不安の高まり、関税がインフレを高進させるとの懸念が背景にある。
ABCニュースとワシントン・ポスト紙、イプソスによる共同世論調査によれば、大統領としての職務遂行ぶりに関するトランプ氏の支持率は米成人の39%にとどまった。現在のような世論調査が始まって以降、歴代のどの大統領よりも低い。
下院共和党指導部は、今回のような混乱を避けるため対話集会を開催しないよう所属議員らに助言している。
トランプ大統領はローラー議員の集会が始まる直前に、自身のソーシャルメディア・プラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、集会の参加者が抗議活動を行った場合、共和党議員は「甘く対応すべきではない。直ちに排除すべきだ」と主張した。
ローラー議員(38)はニューヨーク州知事選への出馬を検討しているが、州民の多くはトランプ氏に反感を抱いている。
議会はイースターのため2週間の休会中。通常は対面での集会を開くのに適した時期だが、共和党議員で対話集会を開催しているのはほんの一握りに過ぎない。
ローラー議員がトランプ氏の関税政策を説明、擁護しようとすると、参加者は声を上げて妨害。自身のスタッフに詰め寄った参加者に対し、同議員が離れるよう警告する場面もあった。
参加者の多くは集会が終了する前に会場を後にした。少なくとも1人が警察に連行され、警告を受ける人たちもいた。
ニューヨーク州オレンジバーグ在住の民主党員、モーリーン・エイチソンさん(60)は「人々の熱心さと民主主義を目にした」と、集会の様子を語った。「だが、ローラー議員が質問に答えていなかったので、皆いら立っていた」。

抗議の声を上げた参加者を排除する当局者ら(ウェストナイアック、4月27日)
Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg
同様の光景はここ数週間、全米各地で見られ、ソーシャルメディアで拡散。共和党が圧倒的に強い地域でも、こうした事態となっている。
ジョージア州選出のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(共和)が今月、地元で主催した集会では、数人が退場させられ、逮捕者も出た。警察は少なくとも2人に対してスタンガンを使用した。
グリーン議員は集会の場で質問を受け付けることをせず、全ての質問を書面で提出させた。その上で一部の質問については、大声で読み上げた上であざけるような態度を取った。
原題:New Yorkers Boo and Jeer GOP’s Lawler at Circus-Like Town Hall(抜粋)
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