韓国の保守系与党「国民の力」は3日の党大会で、来月3日投開票の大統領選の党公認候補に金文洙前雇用労働相を選出した。
金氏は世論調査でリードする革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表に挑むことになる。ただ、公職選挙法違反の罪に問われた李氏を巡っては、最高裁が1日に2審の無罪判決を破棄し、高裁に差し戻した。
「国民の力」の公認候補指名争いは、金氏と韓東勲前代表の2人に絞り込まれていたが、金氏が選ばれた。2日には韓悳洙前首相が大統領選への出馬を正式に表明していた。
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金氏は受諾演説で「韓国の民主主義は危機にひんしている」と述べ、共に民主党がこれまでに政府高官31人の弾劾を試みてきたことを非難。「共に民主党の一党支配を阻止できなければ、韓国の自由民主主義は崩壊し、国家の未来は危機にさらされる」と警告した。
金氏は、ライバルの李氏の大統領当選を阻止するため、あらゆる勢力と連携する考えを示した。また、憲法改正や選挙制度改革、年金制度の見直しを推進すると表明した。
国民の力は、尹錫悦前大統領が昨年12月の非常戒厳宣布を巡り罷免された影響もあり、混乱が続いている。
一方、共に民主党の李氏は依然リードを保っているが、選挙前に懲役刑または100万ウォン(約10万円)を超える罰金を科された場合、李氏は事実上、立候補資格を失う。
1日に発表された4社合同世論調査によると、支持率は李氏が42%、韓悳洙氏が13%、韓東勲氏が9%、金氏が6%だった。韓悳洙氏が国民の力と連携すれば、李氏との差を縮める可能性もある。
対日関係について、金氏は良好な二国間関係の維持を重視する姿勢を示したが、竹島(韓国名・独島)の領有権については「交渉の余地はない」と強調した。
原題:S.Korea’s Ruling Party Picks Ex-Minister as Presidential Nominee(抜粋)
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