関税の完全撤廃が「一貫した立場」、赤沢再生相が対米交渉から帰国

関税交渉のため米ワシントンを訪れていた赤沢亮正経済再生相は３日、米国による関税措置の完全撤廃を求める立場に変わりはないとの認識を示した。同日の帰国後、羽田空港で記者団に述べた。

　　赤沢再生相は、自動車や鉄鋼、アルミニウムにかかる25％の関税に加え、輸入品に一律10％の税率が乗せられている一連の措置を撤廃することを強く求め続けていると説明。これが「わが国の一貫した立場だ」と強調した。「個別論点や技術的な内容に関する事務レベルの議論も大変重要になってくる」とも述べた。

　　トランプ米政権は日本時間３日午後１時１分、自動車部品に対する25％の追加関税を発動した。赤沢再生相は今回の交渉に当たって「予定通り発動することは見直してほしいということを申し上げた」と話していた。

日米間に溝

　　赤沢再生相は２回目となる関税協議のため米国を訪問し、ベッセント米財務長官やグリア米通商代表部（ＵＳＴＲ）代表らと会談。現地で取材に応じた際は、両国間の貿易の拡大や非関税措置の見直しなどで具体的な議論ができたと話していた。

　　ただ、日本経済新聞など国内メディアの報道によると、関税の完全撤廃を目指す日本に対し、米国側は自動車や鉄鋼・アルミニウムにかかる関税は交渉の対象外とする認識を示したという。両国の溝が明らかになる中で、どう妥協点を探るかが今後の焦点となる。

　　米財務省は声明で「日米間の強固な二国間関係を再確認し、今回の対話を基礎として実務者レベルでの協議を直ちに開始すること、また近い将来に追加の閣僚級会合を開催することで合意した」との見解を示した。

　　ベッセント長官は、「日本の迅速かつ前向きな関与に大いに勇気づけられており、二国間の重要な諸課題について早期に合意に達することができると期待している」とＸ（旧ツイッター）に投稿した。閣僚級の次回協議は５月中旬以降で調整する。