ヘッジファンド運営会社シタデルの創業者で資産家のケン・グリフィン氏は過去1カ月を振り返り、米中貿易戦争の休戦で相場は急騰したが、現金を保有して様子見を続けるのが賢明だっただろうと示唆した。
グリフィン氏(56)は12日遅く、ブルームバーグテレビジョンの番組でインタビューに応じ、「ファンダメンタルズ分析を重視する投資家にとっては、極めて難しい時期だった。投資先の企業の価値が、米政府の目まぐるしく変わる政策に大きく振り回されているからだ」と指摘した。

動画:ブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じるグリフィン氏
Source: Bloomberg
「今から思えば、これを乗り切るには現金保有が恐らく最善の方法だっただろう。だが、それは絶えず攻勢に出て、市場で価値を創造する方法を見いだすというわれわれの文化に反する」とグリフィン氏は述べた。
世界の2大経済国である米中は、両国間の貿易を完全に止めかねなかった関税の引き下げを発表し、ウォール街は安堵(あんど)感に包まれた。12日の取引でS&P500種株価指数は3.3%高、ナスダック100指数は4%高と急伸。トランプ米大統領が「解放の日」と呼んだ4月2日の広範な関税措置発表以来の下げを帳消しにした。
グリフィン氏はこれまで、労働者階級に打撃を与える逆進税に等しいとして関税を批判してきた。ブルームバーグとのインタビューでは、この政策は中間選挙で「現実的な代償」を伴うことになるだろうとの見解を示した。
一方、「数日前と比べて、2国間の貿易条件の大幅な改善」を交渉したとして、グリフィン氏はベッセント財務長官を称賛。ただ、交渉はまだあるとくぎを刺した。
原題:Griffin Says Going to Cash May Have Been Best in Tariff Turmoil(抜粋)
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