米国務長官、インドとパキスタンに緊張緩和を要請－首相や外相と協議 – Bloomberg

インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方で先週、武装勢力の襲撃により多数の死者が出た事件を巡り、米国は両国に対し、緊張の緩和と衝突の回避に向け協力するよう呼びかけた。

　　ルビオ米国務長官が４月30日に両国の高官と協議し、「南アジアの平和と安全の維持」を要請。国務省の声明によると、ルビオ氏はパキスタンのシャリフ首相に対し、今回の襲撃を非難した上で直接的な対話を再開すべきだと訴えた。ルビオ氏はインドのジャイシャンカル外相とも協議した。

　　ともに核保有国であるインドとパキスタンは長年にわたり対立してきたが、襲撃事件をきっかけに関係が急速に悪化している。インドと米国はこの事件を「テロ行為」と断定。インドのモディ政権はパキスタンの関与を主張し、責任を追及する構えを見せた。これに対しパキスタンは関与を全面的に否定し、インドが軍事行動を取れば報復すると警告している。　　

　　パキスタンのタラル情報相はテレビ演説で、今後24－36時間以内にインドが軍事行動を起こすという「信頼できる情報」があると主張。パキスタン軍の広報担当者、チョードリー中将は数時間後の記者会見で、インドのいかなる攻撃にも「相応かつ断固とした」対応を取ると強調した。

　　チョードリー中将と共同会見したダール副首相は、パキスタンは一切関与していないと改めて強調し、「中立的な調査員による独立かつ透明な調査」を求めた。

　　ダール氏はさらに「パキスタンが先に緊張を高めるような行動に出ることはない」とし、「インド側がエスカレーションに踏み切った場合には断固として対応する」と話した。

　　インド紙エコノミック・タイムズ（ＥＴ）が匿名の関係者の話として29日に報じたところによれば、モディ首相はシン国防相やドバル国家安全保障顧問らとの会議で、軍に対し、報復の時期・標的・手段の決定を一任したという。インド首相府は業務時間後に送付された、会議内容の詳細を求める電子メールに対し、現時点で返答していない。

原題：US Urges India and Pakistan to De-Escalate Amid Fears of Clash（抜粋）