第一生命ホールディングスは12日、債券に特化したヘッジファンドの英キャプラ・インベストメント・マネジメントに追加出資し、持ち分法適用会社にする方針だと発表した。非伝統的(オルタナティブ)資産の運用力を強化する。
発表資料によると、第一生命Hは10%超を出資し、取締役も派遣する。取引は5月に完了する予定で、傘下の第一生命保険が既に持つ5%弱と合わせた出資比率は約15%となる。2026年度以降、年間で50億円程度の持ち分利益が見込まれるという。追加出資額などは非公表とした。
第一生命Hはアセットマネジメント事業で、株式や債券以外のオルタナ資産の運用機能強化などを進めており、24年にはクレジットに強みを持つ米ファンドに19.9%出資した。キャプラへの追加出資でオルタナ分野での成長の取り込みやリスク分散を狙う。
同社は30年度のグループ企業価値10兆円、利益目標6000億円の達成に向け、アセットマネジメント領域で企業への出資や合併・買収(M&A)を含めたインオーガニック戦略による成長機会を探ってきた。
キャプラ社は05年に設立され、株式や債券市場と低相関または逆相関の戦略などに特化した運用が特徴で、24年末の運用資産残高は318億ドル(約4兆8000億円)。日本、米国、香港などに約400人の従業員を抱え、グローバルな企業年金基金や公的年金基金などの機関投資家から資産を受託している。