水曜日, 5月 14, 2025
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神崎エルザとして楽曲制作に向き合った時間を振り返る|ReoNaインタビュー | アニメイトタイムズ



逃げることにすら疲れ、心が痛んでも、涙さえ流せない日々。そんな時間を過ごしてきた少女・ReoNaは、アニメや音楽に出会い、少しずつ救われていった。そして今度は、“絶望系シンガー“としてアニメに寄り添いながら、「あなたへ」と語りかけるように、一対一の音楽をかき鳴らしている。今でこそ数々のアニメと向き合い、タイアップ曲を歌ってきたReoNaだが、すべての原点はTVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』(以下、『GGO』)に登場するキャラクター、神崎エルザとの出会いである。

2018年の『ELZA』、2019年の「Prologue」、そして昨年10月に行われたライブ『神崎エルザ starring ReoNa ✕ ReoNa Special Live “AVATAR 2024”』とクリスマスに届けられた『ELZA2』。その歩みの先で迎えたのが、2025年3月に開催された全国6都市7公演の「ReoNa ONE-MAN Live Tour 2025 “SQUAD JAM”」である。全公演オールスタンディング──全身全霊で、『GGO』シリーズと再び真正面から向き合った。ReoNaとエルザ。ふたりの旅が、ひとつの“終焉“を迎えた今。そして、『神崎エルザ starring ReoNa ✕ ReoNa Special Live “AVATAR 2024”』のライブ映像作品としてのリリースや、ライヴ・フィルム上映が決まった今だからこそ。改めて『ELZA2』という作品に込められた想いをここで振り返りたい。

──さて、お話をうかがっているのは12月中旬に差し掛かるタイミング。そして、2024年の締めくくりに、神崎エルザ starring ReoNaとしての2枚目のアルバム『ELZA2』がついにリリースされます。エルザとしての活動は続けていらっしゃったので、音源リリースという意味では6年ぶりになるのかと、改めて驚きました。

ReoNaさん(ReoNa):そうですね。私自身、エルザとしてのお歌と共に歩んできたので、確かに6年ぶりというのはなんだか不思議な気持ちです。6年前、エルザのお歌を歌っていた頃は、この先の1年後や2年後の自分の未来さえ信じられなかったんです。でも、6年という時間が経って、いま、もう一度エルザとして音源をリリースできるなんて……本当に、当時は考えていなかったですね。嬉しいことです。

──当時のインタビューを見返したのですが、まさに「実感がなくて、ドッキリなんじゃないか」とおっしゃっていて。

ReoNa:「実感がないです」って何度も口にしていたのを覚えています。もうずっと(ReoNaチームのスタッフに)言ってたんです。「いつ“ドッキリでした”とネタバラシされるんですか」と……本当に世界が変わりました。最早異世界転生したかのような気持ちです。その気持ちのまま走り続けてきて。今はもう現実に変わっていますけど、6年前の自分を改めて振り返ると、すごくガムシャラに、目の前の数ミリのことだけを考えて歩いていました。

──でもきっと、純粋なところは変わっていないですよね。

ReoNa:そう思います。その中で、よりエルザを実態として実感するようになったような気がします。当時はまだ、エルザに関する情報が本当に少なかったですよね。小説の中でエルザについて触れられているのは数行程度。その少ない情報をもとに、チームみんなで想像を膨らませていったんです。

当時はわずかな記述からイメージを紡いで始まったエルザが、アニメの映像になり、いろいろなライブで神崎エルザとして一緒にお歌を紡いできて、彼女がどんな想いを抱えているのか、どんな歌を紡ぐのか。それがよりリアルに感じられるようになった気がします。その果てで、またこうして新しい音楽でエルザと向き合えるのは、すごく特別なことだなと感じますね。

──ちょっと話がそれてしまうのですが……リアルタイムでエルザを追ってきた人は、その軌跡も一緒に楽しまれている方たちで。それはそれですごく尊いことなのですが、ある意味、今回エルザを知って追体験できるというのも羨ましい立場だなと。曲もたくさんあるし、情報もたくさんあるしっていう。

ReoNa:ああ、言われてみれば確かに。1stのときにエルザに出会ってくださった方にはずっと新譜お待たせしてしまいましたが、これから知る方であれば、すぐに音楽にも出会うことができますし、『Prologue』の中にある出自もすぐに知られることができる。これから聴かれるという方がいらっしゃったら、ぜひ『ELZA』のお歌も合わせて聴いていただけたら嬉しいです。

──前回のインタビューから想像するに、『ELZA2』に関しても、結構長い間制作に向き合われていたのですか。

ReoNa:結構長く走っていた気がします。今回はミニアルバムということもあって曲数もたっぷりありますし……1年弱くらい、この『ELZA2』と向き合ってたような気がします。

──「GG」も1年向かい合われてたというのに? 

ReoNa:そうなんです。同時に動き出したこともあって、ReoNaとして「GG」を紡ぎながら、並行してエルザにも向き合っていました。ちょうど『ReoNa 5th Anniversary Concert Tour “ハロー、アンハッピー”』の準備も行っていたときということもあって、5周年後に届くもの、という意識がありました。

ただ、エルザに関しては自分の5thアニバーサリーとは関係ないといいますか……。というのも、私自身の時間は6年進んでいますが、『ガンゲイル・オンライン』の世界、つまり神崎エルザの“時”は、前回からあまり時間は経っていないんですよね。それは考えていたところでした。

──経験を積んできたからこそ生まれたお歌や新しいアプローチがありましたが、エルザに関しては時を感じさせないようにしなければいけないという。ある意味、うまく歌うことが正解ではない、といいますか。

ReoNa:まさにそうなんです。当時がむしゃらに右も左もわからない中で紡いでいたエルザの歌を、今あらためて何度も聴き返したんです。どのタイミングでも、その時々の瞬間最大風速を目指してお歌を紡いできてはいるのですが……成長してきているところもあるんですけど、当時の拙いがゆえのきらめきみたいなものもあって、それがまさにエルザの中にはあるなと。

なんというか、ギリギリの感情で叫ぶように歌っていたり、声が幼いなと思ったりする部分もあるんですが、あの時だからこそ紡げたものが『ELZA』の中に在って。その当時は、まさかこれだけたくさんの人が受け取ってくれているとは思っていませんでしたが、いろいろな方にお歌を受け取っていただいて……6年経った今もエルザを好きだと思ってくれている人がいると思うんです。

改めてエルザファンに向かって、エルザの歌を届けるために、当時の自分の声や歌を再インストールし直せないかと考えた時間がありました。

──6年の中で成熟してきたご自身を、エルザというキャラクターに合わせて“戻す”作業というのは、やはり大変だったのではないでしょうか。ReoNaとエルザは別人格なわけで。

ReoNa:最初はすごく悩みました。時間は戻すことはできないものですから。ただ、いざ制作が始まってみると、そんなに余裕に歌えるようなものでもなく。1曲、1曲、今の自分で精一杯向き合わないと、なかなか到達できないお歌だったんですよね。まるで神崎エルザが試練を課してきているかのような、そういった制作でした。

だから、良い意味で過ぎていった時間というものに、向き合いすぎずにいられたというか。やはり神崎エルザを歌うときは、余計なことをごちゃごちゃと考えず、その時にできる最大でぶつからなきゃいけないなと思いました。実際いざはじまってみると、エルザに引き戻されたというか……。

──なんだかReoNaさんの立場がレンちゃんのよう(笑)。

ReoNa:確かに、戦わざるを得ない状況にされるというか(笑)。

──前作とは状況的に向き合い方が異なる作品になったと。サウンド的にはどうですか。エルザはときに激しいナンバーもありつつも、基本は“切な明るい”ロックナンバーの印象があります。変わらなさはありつつ、そこに新しいエッセンスが加わっているように感じました。

ReoNa:いろいろなセクションで、みんながエルザのことを振り返りながら制作をしていたんです。でも、あえてあまり踏み出さないというか。ReoNaの制作は「5周年だから新しい挑戦をしてみよう」ってことがあったんですけど、エルザの場合は、エルザらしさに寄り添って作っていました。さきほど話した通り、エルザのファンの方に届けたい、という気持ちも、いろいろなセクションで共通していた想いです。

それでもこの6年間で(ReoNaとして)いろいろな方との出会いがあって。最初のエルザの楽曲を作ったときは、ハヤシケイさん(LIVE LAB.)、⽑蟹さん(LIVE LAB.)、ruiさん(fade)の3人とで作っていたものが、小松一也さんも加わって編曲に入ってくださったり、Panくん(LIVE LAB.)がいてくれたり。そして今回ははじめて宮田 “レフティ” リョウさんともご一緒することができました。まさにさきほどおっしゃっていたエルザらしい“切な明るい”ところに、さまざまな出会いのおかげで、新しい風が吹いた感覚がありましたね。

──7曲とは思えないほどの密度の濃さを感じます。

ReoNa:私自身も「濃ゆいな」と思いながら歌っていました。

──1曲目の「Oh UnHappy Day」には、ReoNaを象徴するような言葉である〈Hello,UnHappyDay〉という言葉が出てきて、それをエルザが歌っているのが印象的だなと。

ReoNa:ReoNaにとって大事な言葉を今回エルザに託しました。ReoNaは“Hello,UnHappy”というのに対して、エルザは〈OhUnHappyDay〉と伝えたあとに〈Hello,UnHappyDay〉と歌っている。そこにも一筋縄ではいかない感が溢れていると思います。この言葉がここに収まったとき、“Hello,UnHappy”という言葉はReoNaのものだからやめておこうよという話にはならなかったんですよね。どう言語化していいか分からないのですが……エルザの曲は、 やはりしっかりエルザなんですよね。

しかも、このお歌は第12話、最終話でアニメと一緒に届く予定です。そういう大切な局面で流れるお歌だからこそ、大切な言葉を託したいなと考えていました。そして〈ついてないぜ〉って。このアルバムでは1曲目。久しぶりのエルザとの邂逅に、すごくぴったりなお歌になったと思います。小松さんが華やかなサウンドにしてくれました。

──クワイアもなんだか今までと違う雰囲気というか……このタイトルからも、聖歌隊という雰囲気があります。

ReoNa:ああ、まさにそうです。ゴスペル感が強いというか。讃美歌感のあるブラス・ロックを聴いているような感覚になりました。

──ReoNaさん自身のコーラスも気になるところ。「GirlsDon’tCry」にも言えることなのですが。

ReoNa:ああ、確かに。今回は歌詞がないところでも、私がクラシックモチーフのメロディーを追いかけているところが全体を通して多いような気がします。

──現時点は最終回放送前(第10話)なので、どのようにこの曲が本作を彩るのか、とても楽しみです。

ReoNa:今(当時のリアルタイムで)アニメ見てる方は「あれ。第三回スクワッド・ジャムが早々に終わって、なんか新しいゲームはじまった」という感じになっているかと思います。私は原作の小説を読んでるのですが、SJ3の「ワン・サマー・デイ」は、特に映像で見たくてたまらなかったお話でした。沈みゆく豪華客船で、裏切り者がいる中で戦う姿は、まるで劇場版で見たいと思うほど壮大で魅力的で。そんなシーンに音楽を添えると聞き、すぐに(モチーフとなった)「水上の音楽」がピッタリでは?というアイデアも出てきたんです。ReoNaチーム一同、『GGO』が大好きなので、どんどんとアイデアが浮かんでくるんです。

──8話の特殊EDとなった「Toxic」についても、同じように制作されていったんでしょうか。

ReoNa:そうですね。どんな場面で使われるかは事前に伺っていたので、スクリューに向かってピトフーイが落ちていくところで〈堕ちた〉という言葉が入るように。ピトフーイと言うべきか、エルザの悔しさがみちみちに詰まったお歌になっています。

──映像と音楽がものすごくピッタリ合っていましたよね。見た瞬間、驚くと同時にニヤニヤしちゃって(笑)。

ReoNa:私もです(笑)。ニクいなと思っていました。フィルムスコアリングのような形で作ってくださったそうなんです。音としてギターが鳴る瞬間に、エルザがギターをかき鳴らしていたり……ああ、すごい、曲にあわせて映像が動いているって。自分が思い描いていたシーンに、自分が届けたかったお歌が一緒に届くって、本当に不思議な気持ちですね。何年経っても慣れないというか、新鮮さを感じます。


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