2025年5月6日、Microsoftが、従来のSurfaceシリーズとは一線を画す、驚くほど軽量な新型デバイス2機種を発表しました。
その名は、「Surface Laptop 13インチ」と「Surface Pro 12インチ」。前者はよりコンパクトに、後者はさらにスリムに進化した意欲作です。
これまで、クリエイターやビジネスパーソンを中心に支持を集めてきたAppleのMacBook AirとiPad Pro。
今回のMicrosoftの発表は、まさにこの強豪ひしめく市場への挑戦状と言えるでしょう。特に「Surface Pro 12インチ」は、価格帯によってはiPad Proユーザーをも取り込む可能性を秘めています。
サイズダウンの裏側。スペックダウンは避けられない?
軽量化と低価格化を実現するために、新型Surfaceデバイスはいくつかの点で仕様が見直されています。ここでは、各モデルの具体的な変更点を見ていきましょう。
Surface Laptop 13インチ:携帯性とスタイルの融合、ただし…
洗練されたOcean(メタルブルー)、Violet、Platinumの3色展開となるSurface Laptop 13インチ。
そのコンパクトなボディは魅力的ですが、ディスプレイは従来の13.8インチから小型化され、解像度も2304 x 1536ピクセルから1920 x 1280ピクセルへと変更されました。
さらに、HDR非対応、リフレッシュレートも120Hzから60Hzへとダウンしています。
Surface Pro 12インチ:キーボードとペンの新機軸、ディスプレイにも変化

一方、より小型になったSurface Pro 12インチは、標準でキーボードが付属しないという新たな試みが見られます(Proシリーズでは過去にも例があります)。
マグネット着脱式のキーボードは、角度調整機能が廃止され、フラットな設置が基本となります。
また、Surface Penの収納スロットがなくなり、本体背面に直接取り付けて充電する方式へと変更されました。
ディスプレイのリフレッシュレートは120Hzから90Hzに低下しましたが、解像度(2196 x 1464ピクセル)は維持されています。
共通の変更点:USB-Cへの移行と内部スペック
両モデルから、Surface独自のマグネット式充電ポートであるSurface Connectが姿を消し、汎用性の高いUSB-C 3.2ポートが採用されました。
内部チップには、Qualcomm製の8コア「Snapdragon X Plus」が搭載されました。これは、以前のモデルの標準構成よりもコア数が減少しています。
RAMは両モデルとも16GBと十分な容量ですが、ストレージは標準で256GB。512GBへのアップグレードは有料オプションとなります。
Appleの牙城を崩せるか?スペック比較で徹底検証
純粋なスペックで比較すると、現時点ではAppleの対抗製品が一日の長があると言わざるを得ません。特にディスプレイの性能差は無視できません。
ディスプレイ対決:高精細・多機能なApple、Surfaceは価格で勝負?
MacBook AirのLiquid Retinaディスプレイは、60Hzのリフレッシュレートながら2560 x 1664ピクセルの高解像度とHDR対応を実現しています。
iPad Pro 11インチモデルに至っては、Surface Pro 12インチよりも小型でありながら2420 x 1668ピクセルという鮮明な表示に加え、OLEDと最大120Hzの可変リフレッシュレートを備えています(13インチモデルはさらに高解像度)。
パフォーマンス比較:Apple M4チップの優位は揺るがない
処理性能においても、新しいSurfaceのSnapdragonチップは効率的であるものの、最新のiPad ProやMacBook Airに搭載されるAppleのM4チップには及びません。
シングルコア・マルチコア性能ともに差が見られ、パワーユーザーにとってはApple製品がより魅力的に映るでしょう。
冷却方式の違い:ファンレスのPro、ファン搭載のLaptop
冷却方式は、両Surfaceデバイスの大きな違いであり、注目すべき進化点です。
12インチのProは、MacBook AirやiPad Proと同様の完全ファンレス設計となりました。一方、13インチのLaptopは引き続きファンを搭載しています。
新たな選択肢の登場
結局のところ、PCとMacの比較で常に議論されるように、最終的な選択は「価格」と「性能」のどちらを重視するかによって決まります。新しいSurfaceは、これまで以上に手頃な価格で購入できるようになった一方で、いくつかの点で妥協が必要です。
しかし、今回のMicrosoftの挑戦は、これまで高価格帯が中心だった超軽量デバイス市場に、新たな風を吹き込む可能性を秘めています。予算を抑えたいユーザーにとって、魅力的な選択肢となることは間違いありません。
Surface Laptop 13インチとSurface Pro 12インチは、6月10日から販売開始。
今後の市場の動向から目が離せません。
Source: Microsoft
編集部の感想:
新Surfaceの発表は、軽量化と低価格化を追求しつつも、いくつかのスペックダウンを伴っています。特にApple製品と比較すると、性能では劣る部分が目立ちますが、価格面での魅力はありそうです。消費者にとっては、価格と性能のバランスをどう考えるかが今後の鍵になりそうですね。
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