月曜日, 4月 28, 2025
Google search engine
ホームニュースPCニュース慶應義塾大、ガラスより安くて速いプラスチック光ファイバーを開発 - PC Watch

慶應義塾大、ガラスより安くて速いプラスチック光ファイバーを開発 – PC Watch


押出成形によるマルチコアGI型POFの一括作製の模式図

 慶應義塾大学の研究グループは、次世代AIデータセンター向けに、1芯あたり最大106.25Gbpsの高速伝送が可能な多芯構造の屈折率分布型プラスチック光ファイバー(GI型POF)開発に成功した。

 生成AIの普及に伴い、データセンターでは超大容量/低遅延な通信技術が不可欠となっている。データセンター内の短距離高速通信は、現在VCSEL(面発光レーザー)とマルチモード光ファイバー(MMF)の組み合わせが主流だが、ガラス製ファイバーは多心化にコストと手間がかかる問題があった。

 新技術では、プラスチック材料の特性を生かした押出成形により一括で多心化する手法を提案。押出成形では、押出機のダイ(成形金型)の設計により、コアの数や配置、外形形状にかかわらず、マルチコアGI型POFを一括作製できる。そのため、ガラス製光ファイバーで必要だったリボン化工程や多心コネクタの実装が不要で、1芯あたり100Gbps超の伝送性能を実現しつつ、コストを10分の1~100分の1に低減できるという。

今回制作した円形61芯と矩形4芯のマルチコアGI型POF断面図

 今回制作した61芯のGI型POFを、VCSELと組み合わせたところ、1コアで最大106.25GbpsのPAM4信号の伝送に成功。最大30mの伝送においてもアイパターンにおけるTDECQ(PAM4信号の波形品質を評価する指標)の劣化がほとんど見られず、高品質な信号伝送を実現。複数コア間の伝送特性のばらつきが極めて小さいことも確認でき、高い製造再現性と信頼性を備えていることが示されたという。

 また、GI型POFは従来のガラス製光ファイバーと比較して、VCSELを用いた際の信号伝送特性が大きく改善でき、ビットエラーレートを比較したところ同一条件下で1万分の1から10万分の1に抑えられたという。これは、コア内部に形成された微細な不均一構造によって光の干渉性が低下し、体積的なノイズ低減効果として機能しているからだという。

 これにより、コネクタやレンズ結合部でのアドオン型ノイズ対策が不要で、機器のコストや接続の手間を削減できる。さらにDSPによる信号補正も削減できる可能性があるため、これによりレイテンシや消費電力抑制にもつながるとしている。

106.25Gbpsを実現したPAM4信号の伝送波形



フラッグシティパートナーズ海外不動産投資セミナー 【DMM FX】入金

Source link

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

- Advertisment -
Google search engine

Most Popular

Recent Comments