マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの研究員であるマギー・コブレンツ氏と、デンマーク工科大学(DTU)ノボノルディスク財団バイオサステイナビリティセンターの上級研究員であるジョシュア・エヴァンス氏らの研究チームが「宇宙環境における食品発酵の可能性を探るための共同研究」についてまとめた報告が、学術誌のiScienceに掲載されました。この実験では、発酵食品の代表として日本の味噌(みそ)が採用され、研究チームは実際にISSで味噌を発酵させることに初めて成功しています。


長期の宇宙滞在では、限られた物資の中で安定的に食料を確保する技術が求められており、その一つとして「発酵を用いた食品加工」が注目されています。発酵は微生物の働きにより原材料を変化させる手法で、保存性の向上や風味の形成が可能です。また、加熱などの調理工程が不要であることから、資源の制約が大きい宇宙空間に適した技術のひとつとされています。

コブレンツ氏とエヴァンス氏らの研究グループは、「宇宙空間で発酵が正常に進行するかどうかを検証し、地上環境との違いを明らかにする」ために、国際宇宙ステーションで発酵による食品加工を実践する研究プロジェクトを2019年頃にスタートさせました。

この研究では、発酵食品のサンプルとして日本の味噌が選ばれました。研究チームによれば、宇宙空間では微小重力の影響により体内の体液分布が変化するため、宇宙飛行士からは「味覚が鈍くなってにおいを感じなくなった」という報告が相次いでいるとのこと。そこで、人間にとって感じやすい味覚である「うま味」を重視し、宇宙での食事への満足感を増幅させるという目的で、うま味成分をたっぷり含んで栄養価も高い味噌が選ばれたというわけです。

フラッグシティパートナーズ海外不動産投資セミナー 【DMM FX】入金

Source link