「HOW I WORK with AI」とは?
AIを『相棒』にする時代の働き方。彼らはどうやってAIを味方につけ、未来を切り開いているのか? 創造性と生産性を最大化するには?第一線で活躍するプロフェッショナルの実践的なAI活用テクニックや仕事術に迫ります。
記念すべき第1回目にお話を伺ったのは、SNSを巧みに使いこなし、毎日動画や投稿を見かける注目パーソン、生成AIに関する法人研修を行うMichikusa株式会社代表のusutakuこと臼井拓水さんです。
ChartGPTが登場したことを受けて起業を決意したusutakuさんのバイタリティあふれる仕事術とは? 生成AI「活用」の専門家としてどんなひとでも今日から生成AIを使いこなせるようになるコツを伺いました。
生成AIでAI研修の資料を作り余暇もAIに触れ続ける
──現在のお仕事と1日のルーティンについて教えてください。
生成AIの活用について、会社ごとにカスタマイズして最適な法人研修を提供しています。また、約2,500人が在籍しているAIの個人向けコミュニティ「AI木曜会」も運営しています。
午前中はなるべくミーティングを入れず、研修の資料作成や動画の台本作成など、重めの作業に集中して取り組むことが多いです。
午後は研修や商談をたくさん入れていますね。
午前中に入れない分、13時から19時の間にセミナーやウェビナーなどの法人研修が毎日1〜2本入っています。その後は個人研修の打ち合わせなどを行っています。
夜は会食が入ることが多いですね。
──1日の業務の中でどのように生成AIを活用していますか?
資料作成で文章を整えたり台本を書いたりするときはNotion AIを活用しています。Notionは本当に大好きで本を出版するくらい使いこんでいます。
図を作成するときは、v0やClaudeのArtifacts機能、Napkinを使います。
リサーチでは、ChatGPTのDeep Researchを使う時間が増えましたね。
打ち合わせの議事録は基本的に取るようにしています。Zapierというツールを使って、Zoomでミーティングが終了した直後に、Notionに文字起こしが記録される仕組みを作っています。
──これまでどのようにAIの知見を深めてきたのでしょうか?
とにかく時間を作ってひたすら触ってきましたね。何事もそうですけど、生成AIについて最先端を走っている方々は誰かに教えてもらっているわけではなく、とにかく毎日触り続けていると思います。
僕は、会食の前後や会食が入らない夜は、ひたすら新しいAIの機能を試しています。この時間は好きだし、大事にしていますね。
すぐに業務に取り入れられなくても新しいサービスを試す時間を確保しておかないと、自分の感覚もどんどん鈍ってきてしまう気がしています。
SNSに踊らされず、まずはChatGPTから触ってみて
──機能がどんどん追加されていく生成AIを、ビジネスパーソンはどうやって使いこなしていけばよいのでしょうか。
通常のビジネスパーソンであれば、最新のAIを常に追いかける必要はありません。
SNSでは「人類終わった」「人間の仕事がなくなる」なんて過激なフレーズを目にしますが、注意を引くためだけの言葉なので、つられないようにしましょう。
これから生成AIを使い込んでみたい人は、まずChatGPTに触れておけばよいと思います。
ChatGPTをおすすめするのは、文章作成だけでなく、画像や動画の生成、文字起こし、画像の読み取り、コードの作成など幅広く機能を網羅しているからです。
まずは英語の文章を書かせてみたり、長文のメールを要約したりしてみることからはじめたらよいのではないでしょうか。
ChatGPTでうまく作業が進まないと感じたときは、改めてスライドの作成やリサーチに特化した生成AIを試して、スキルを高めていけばよいと思います。

──プロンプト作成のコツはありますか?
プロンプトを難しく考える必要はありません。やりたいことをそのまま伝えればいいのです。
多少のコツはありますが、それは料理をするときに湿度を気にするレベルの話です。一流の料理人なら考慮するかもしれませんが、初心者はまず食材を切って火にかけるところからはじめますよね。
たとえば、英語にしたいなら「英語にしてください」、議事録を作りたいなら「議事録を作ってください」と言えばOKです。
もし生成された文章に違和感があれば「なぜうまくいかなかったのか」を言語化し、その改善点を加えて再度指示を出せばいいだけです。
最初から完璧なプロンプトを求めるのではなく、何度か調整しながら目的の出力に近づけばいいんです。
納得のいく回答を引き出せたら「どうすれば1回で求める結果が得られるか」と考えればよいのです。プロンプトの入力方法をChatGPTに聞いてみるのもよいでしょう。
普段から業務で指示を明確に伝えられる人なら、そのままプロンプトに入力するだけで十分です。言い換えると、プロンプトが難しいと感じる人は、そもそも指示を言語化する力が不足しているだけかもしれません。