Summary
- 洗濯ネットに入れる前の「たたみ方」で仕上がりは大きく変わる。
- 衣類ごとに適したたたみ方を覚えることで摩擦や伸びを防げる。
- たたんだ状態に合ったネットの形とサイズを選ぶことが大切。
洗濯ネットを使っているけれど、実は正しい入れ方がよくわからない… そんな声をよく耳にします。ワイシャツやズボン、ニットなど、衣類によって入れ方の工夫が必要です。この記事では、洗濯ネットの使い方を見直したい方に向けて、基本の入れ方から衣類別のポイント、たたみ方や便利アイテムまで創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんに具体的にお聞きしました。効率よく、衣類をきれいに保つためのヒント満載でお届けします。
洗濯ネットの入れ方|基本を押さえて洗濯上手に
洗濯ネットを正しく使うことで、衣類の持ちをよくし、仕上がりが整います。ここでは、ネットの目的、選び方、そして入れ方の基本をわかりやすく紹介します。
洗濯ネットを使う目的とは?
洗濯ネットの主な目的は、衣類を守ることにあります。洗濯機の中では衣類同士がこすれ合い、繊維が毛羽立ったり、飾りやレースが引っかかったりすることがあります。ネットに入れることで摩擦を軽減し、型崩れや色移りの予防にもつながります。また、ファスナーやボタンの破損防止にも役立ちますよ。衣類を傷めず、長く使うための工夫として、ネットは大切な道具です。
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洗濯ネットの種類と選び方
ネットの種類は、衣類の形や用途に応じて選ぶと効果的です。Tシャツや下着には薄型の平型ネットが適しています。ワイシャツやニットには、少し厚みのある生地用の中型サイズが便利です。パーカーやデニムのように厚手で重量のあるものは、筒型やマチ付きタイプが向いています。
また、メッシュの目が細かいものは繊細な衣類に、目が粗いものは汚れを落としやすく、丈夫な衣類向けです。使い分けることが仕上がりの差につながります。
基本の入れ方と注意点
洗濯ネットに入れるときは、衣類を軽くたたみ、ネットのサイズに合った状態で入れるのが基本。ネットが大きすぎると中で衣類が動きすぎて摩擦が生じ、小さすぎると汚れが落ちにくくなります。
目安としては、ネットの容量の7〜8割までに収めること。ファスナー付きのネットを使用する場合は、チャックを確実に閉じ、洗濯中に開かないよう端を折り返して収納ポケットに入れると安心です。ほんのひと手間が、仕上がりを大きく左右します。
洗濯ネットに入れるべきもの・入れない方がいいもの
すべての衣類を洗濯ネットに入れる必要はありません。素材や形状によっては、ネットに入れる方が効果的な場合と、かえって汚れが残る場合があります。ここでは、洗濯ネットを使うかどうかの判断基準を具体的に紹介します。
ネットに入れた方がいい衣類とは?
デリケートな素材や細かな装飾が施されている衣類は、洗濯ネットを使用するのが無難です。レースやシフォンといった薄手の生地は摩擦で破れやすく、ウールやニットは型崩れしやすいため、ネットに入れることで傷みを防げます。ブラジャーなど立体的な構造の下着も、ネットで守ることでカップの変形を抑えられます。特にネットが指定されている洗濯表示がある場合は、それに従うことが肝要です。
ネットに入れない方が仕上がりがいい場合
厚手のタオルやデニムなどは、あえてネットに入れずに洗う方が、汚れや皮脂の残りを防ぎやすくなります。ネットが干渉して水流が十分に通らないと、洗浄力が下がってしまうからです。汚れ落ちを重視したい衣類、あるいは摩擦に強く型崩れしにくい素材は、ネットに頼らず直接洗う選択を検討しましょう。
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「入れる意味」がある衣類の特徴
見落としがちなのが、細かな糸のほつれや引っかかりを防ぎたい衣類です。具体的な衣類としては、刺しゅう入りのブラウスや、ファスナーやボタンの多い衣類は、他の洗濯物との絡みを避けるためにもネットに入れる意味があります。見た目は丈夫そうに見えても、繰り返しの洗濯で劣化が進む衣類こそ、ネットを使うことで状態を保ちやすくなります。
ワイシャツやズボン… 衣類別の洗濯ネット入れ方ガイド
衣類の形状や素材によって、洗濯ネットの使い方には工夫が必要です。ここでは、日常でよく使う衣類ごとに、型崩れやシワを防ぐための具体的な入れ方を紹介します。
ワイシャツはたたんでネットへ|型崩れを防ぐコツ
ワイシャツは襟や前立てが傷みやすいため、保護が必要です。第一ボタンと袖口のボタンを留め、背中側を外側にするように三つ折りにたたむと、型が整いやすくなります。ネットは平型タイプがおすすめで、シャツの形を保ちやすいサイズを選ぶとアイロンの手間も軽減されます。たたんだ状態でネットに入れることで、洗濯機の回転によるねじれや折れを最小限にできます。
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