中国の不動産開発大手、万科の四半期損失が急拡大した。地元の深圳市当局による経営介入後も、同社は引き続き深刻な状況に直面している。
万科が香港取引所に29日提出した資料によると、1-3月期の純損失は62億5000万元(約1220億円)。前年同期の赤字は3億6200万元だった。売上高は38%減の380億元。

30日の香港株式市場では、万科の株価が一時2.9%下落。中国本土市場でも2.6%値下がりする場面があった。
万科は、住宅引き渡し件数の減少や粗利益率の低下が損失の主因だと説明。報告された数値に基づきブルームバーグが算出したところ、粗利益率は昨年の約10%から6.1%に落ち込んだ。
万科は経営不振を受け、今年1月に会長と最高経営責任者(CEO)が辞任。深圳市主導で経営陣が刷新された。万科は昨年10-12月(第4四半期)に多額の評価損を計上した。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)は今月に入り、買い手側の不信感や物件供給減少により万科の成約販売が今年30%減少するリスクがあるとの分析を示した。
BIの不動産アナリスト、クリスティー・ハン氏はリポートで「これにより昨年比で販売収入が740億元の不足となる可能性がある」と指摘。「資金繰りがさらに逼迫(ひっぱく)すれば、救済の難易度は一段と高まるだろう」と警告した。
原題:Vanke Quarterly Loss Widens to $860 Million After Overhaul (2)(抜粋)
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