トランプ米大統領は4月30日、政権の包括的な関税措置が自身を政治的危険にさらすリスクを認めた。だが、神経質な投資家をなだめるために貿易相手国・地域とのディール(取引)を急いで取りまとめることはないと話した。
トランプ氏はタウンホール会合に電話で参加し、関税措置にイメージの問題があるかとの司会者の質問に「あるだろう」と回答。「ただ、自分は正直な人物であり、われわれは国を救わなければならない」と語った。
さらに、自身の取り組みに多大な政治的リスクが伴い、関税措置に関するイメージが変わらなければ、来年の中間選挙で与党共和党が過半数議席を失う可能性があることも認めた。
それでも引き続き現行の政策を推進する決意だと表明。「これがどれほど良いか人々を説得することができると考えている」とコメントした。
トランプ氏は、米関税措置の見直しを求める日本や韓国、インドとの間で「潜在的なディール」があるとしつつも、米経済を巡って懸念を表明している人々ほどは「急いでいない」と言明。「われわれは有利な立場にある。彼らはわれわれを求めている。われわれは彼らを必要としていない」とし、インドは「ディールを切望」していると述べた。
このほか、中国との間でディールを取りまとめる「可能性は大いにある」とした上で、「それはわれわれが設定した条件で進め、公平でなければならない」と主張した。
幾つかの国との間では実質的な合意に達しており、その発表があれば株価急伸をもたらす可能性があると聴いていると、司会者が水を向けると、トランプ氏は「潜在的なディールだ。それでOKだ。2週間程度待っても構わない」と話した。
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原題:Trump Says Tariffs Politically Risky, But Not Rushing Deals (1)(抜粋)
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